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ボイス収録裏話

お久しぶりです!皆さん。
新人イラストレーターのLoCaL(ロカル)です。

今回は今年2024年3月に公開したこちらの動画の声優起用・収録までのエピソードをお話します!

こちらは卒業制作作品なので本名が載っておりますが、制作はLoCaL本人です。

【制作体制】
企画/台本制作/ディレクション/編集    :LoCaL
進行:AMG(専門学校)
男性声優:Mさん
女性声優:Oさん

【環境】
Gmail(諸連絡)/Googleスプレッドシート
Adobe Illustrator(台本作成)

【声優の選出】
ボイスサンプルによるオーディション形式

【オーディション参加人数】
男女約100名

【スケジュール】
11月          中間発表終了後に声優起用の案内
                 起用書(企画書)の提出
12月         台本作成
1月前半    オーディション/台本提出
1月後半    結果発表
2月           ボイス収録(1作品につき50分)
                 ボイス編集(3日で編集)

ちなみに今でも、声優さんと仲良くさせてもらっています。実はこういう機会以外、他学科との交流がなかったりするんですよね。(おそらくトラブル回避だと思いますが。)

学生同士のものづくり、といえど
プロとしての意識を高く持つ事が求められる校風ですから緊張します。メールのやり取りも、機材そのものも、とても本格的なので…ここからは特に印象に残った「声優収録のポイント」をご紹介します!





ポイント1  「参加したくなる起用書作り」

私の他にも3作品、声優を募集する企画がありました。
いい人材を譲る訳には行かない!
もし被ったとしても「あなたの作品が1番やりたかった」と思って欲しいですよね。

こちらは当時私が制作した起用書です(*^^*)!

いちばん意識した点は、
どんな演技ができるキャラかを紹介した点ですね。

起用書のターゲットは声優さんたちですから。
いつもの授業じゃできないキャラです!楽しいですよ!とお伝えできるよう、イラストを多用したり、
台本構成(仮案)を共有したりしました。

かなり変わったんですけどね!
声優台本も、この後のお話でご紹介します。




ポイント2  「オーディションの採用基準」

色々終わったあと、声優さんたちから聞かれたのが「どんな基準で採用したんですか?」でした。
実は女性の方は、少年ボイスがなかったけれど、基準のうちひとつに当てはまったので、採用したんです。

そりゃ気になりますよね。中には悔しがってる方もいて心苦しかったです。(私も就活で落ちてますから…)

採用基準はずばり2点。
・挨拶した時の印象(素のあなた)
・基礎面、特に滑舌・声量

ボイスサンプルは最初に挨拶があります。
「○○○です!」とフルネームのみですが。
これがかなり重要です!今回選んだ女性の方は素の声が、少年キャラ(ラオハンといいます)に、とっっっても近かったんです!!
元気があって、一生懸命な印象で、それはその後のボイスでも感じ取れました。何より、声量が良い。

また、男性の方はとても基礎力があって驚きました。
今回担当していただいた青年キャラは

ミンレイという、冷静なクールキャラと
レイリンという、ヤンデレ気味な敵キャラの
2役を兼任するという大役でした。

なので、演じ分けができるのかな?というのが大切でした。ボイスサンプル内のキャラが似通っていると、その点が不安になります。Mさんは病んでるキャラもサンプルにあったので、「ぜひ!」と思いました。その時素晴らしいと思ったのも、「声量・滑舌」でしたね。

人に伝える時に
声の大きさと、ハッキリとした発音はいちばん大切です。私はそう考えています。

LoCaLにとって、声優さんに求める能力はここですね!ということを、皆さんにもお伝えしました。

また、キャラクターのセリフを言って貰えるようなオーディションではなかったので、頭の中でその人の声に変換する作業が難しかったです。
1人あたり、2分半ほどあったので、100人だと…

250分…?4時間くらい?
でも実際は、挨拶や最初のサンプルでの足切りも多かったので、3時間くらいだった気がします。

最後にメール送る前に全員ちゃんと聞きましたけどね!
決定はあまり変わりませんでした。




ポイント3  収録の段取りは台本設計から!

まず、台本ト書…
つまり、どんな演技をして欲しいのかの補足です。息遣いだったり、あとはどういう経緯でそうなってる、など。
キャラクターデザイン学科だと、これを書かない人が結構いるんですよね。なんせ、台本作りを習ってきているわけではありませんから。

今回の私が作った台本がこちらです。

このト書があるおかげで練習時とても役に立ったと、ラオハン役のOさんに褒めていただけました✨
フォーマットは、自己流です。
ナンバリングは収録順を意味しています。

Bパートでは、Mさんが2役兼任でバトルシーンを演じるので、録りわけをしなければなりません。
なので、

1~5のミンレイパートを一気に録り、
6~12のレイリンパートを、ミンレイパートのボイスを聞いて、声を整えたあとで録る。
よってミンレイとレイリンというふたつのキャラクターの「声の差別化」という壁を乗り越えられました。

そして、
先にお伝えしたとおり、収録時間は50分です。
対して、台本の内容は5分ほどあります。

練習1回を設けて、約10分。
データを保存して分けるため、次のセリフへいくための間隔は1分ほど。そこに録りなおしや、音声の確認も入ったりする。
1つのセリフに対して、完成データを作るために、まいても3~5倍の時間がかかります。

30分はかかり、10分は練習と考えると、50分は素人にはとてつもなく短い。しかも、前の方の収録が30分押していたので、私の番でまかないと、他の2組にしわ寄せが行きます。

そういう、切羽詰まった環境でしたが、私はこうなることをあらかた計算していたので、ぴったりに収めることが出来ました!

セリフ量が多い時は、どんな収録方法にしたら効率よく、お互いスムーズに進められるか考えるべきだと思いましたね。

前の方がかなり焦っていたので…
そういうガイダンス、して貰えたら良かったのになぁと思ってます。



つまり収録に大切なことは!
・セリフ量(何分ものになるか)の把握
・割り当てられた収録時間の確認
・セリフ量の5倍の時間の確保
・難しい箇所には予め補足(ト書)を書いておく
・役作りのための資料の共有
・声優さんにマイナスな態度は厳禁(モチベ下がる)
・何度も頭の中でリハーサルする

です!

最後に声優さんへの思いやりを忘れてはいけないと思います!



収録後にプレゼント!

私は収録後にこちらのアクリルフィギュアを記念としてプレゼントしました!また、後日担任を通してお礼のメールを送り、展示会当日はサインを送りあって…

プライベートでも何度か会って色々なお話をして、
似たような悩みや夢も語り変えました、
今ではかけがえのないお友達です✨


改めまして、今回は収録の裏話について、私の学生時代の取り組みをご紹介しました。
声優学科が有名な学校ですので、収録の段取りも割と本格的なのではないかという意味で参考になるかと思います!

今後また、雲遊が大きくなればOさんとMさんと、共演できると思うので、2人の活躍に負けないよう精進していきたいです。

秋にはいよいよ、LoCaL原作の「雲遊記伝」の小説版が発売です!是非応援してくださると幸いです。


今後のイベント情報

「第50回 美術の祭典 東京展」

コミックアート部門 「雲遊記伝」

開催:
2024年10/8(火)~10/14(月) 
9:30-17:30(最終日14:00終了)
入場1000円(学生・70歳以上無料)

場所:東京都美術館
東京都台東区上野公園8-36



「COMITIA150  雲遊記伝小説版」

開催:
2024年11月17日(日)
11:00~16:00
原作小説販売/イラスト集/グッズ販売

場所:
東京ビッグサイト 東館3~7ホール


ぜひよろしくお願いします✨

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