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Cotton Garments 6 〜KD&JG〜 ヴィンテージ KDジャケット編
>>>>>>>>>>>>>>>>>前回より
さてさて、色々と独自に調べた方もおられたでしょうか?
ようやく我々はKDまで辿り着いたわけです。無論KDでジャケット、シャツ、ショーツ、トラウザーズ等、オールキットすべてそろえられるわけですが、さすがに “コーディネートには一体感が大事だ!” と言われたとしても、KD一式で街に出るツワモノはいないでしょう。
いくら保護色と言われるカーキも東京では無力。俄然際立つでしょうね。あなたを完全に街の異物としてしまいますから、その辺はバランスが大事です。
特殊部隊等が街中で活動するときはブラック等のダークな色合いが基本になるとおもいますが、結局そういった色が街では目立たなく、紳士の装いでも“良し”とされるのでしょうね。
少々脱線してきましたね。
KD、大ざっぱに言えば“ミリタリー物”ですが、とりわけあまり注目されていなかったアイテムかもしれません。
日本で見つけづらいという事もありますし、そもそもアメリカ物の流通が多いですから、そこに落ち着いてしまう。
M65等しっかりした “型” があるので売る方も説明がしやすいですし、単純にわかりやすい。
KDと簡単に言いましてもそれだけで結構な深さの沼でして、(先日紹介した本を読んでくれた方なら容易に理解していただけるでしょう。)同じ名称のアイテムでの個体差も大きい。サイズも細かく、何年型のパターンで作られただの、その製造のマニュファクチャラー名の違いもありますし、意外とつかみ所がない物といえるかもしれません。
もちろんアメリカ物にも、物によっては1stパターンだ、2ndパターンだとかの細かい違いはあるのですがね。
そして、物によってはタグがそもそもついていないものもある。WW2以前では特にそんな物ばかりです。もちろん、紛失していたりする物もありますが、その中でもひときわ特殊なものが、“プライベート・パーチェス”(以後:PP)と呼ばれる物。
これは特にイギリス物に多いかもしれません。
ここでもサヴィルロウ謹製のミリタリーガーメントを紹介していますが、なにもSRだけにテーラーがいるわけではなくて、国内にもミリタリーを得意としたテーラーは数ありますし、世界中に植民地があるイギリスではそういった植民地でもイギリス式のオーダーができたわけです。
特にKDはユニフォーム然とした物も多いですから、人によっては自分でオーダーしちゃうんですよ。(以外と有名どころのスタンダードなミリタリーアイテムでもプライベートオーダーのガーメントは存在していますよ。ダッフルコートですらあるくらいです。)
そして、KDのオーダーと言えばインドですよね。
前にも話しましたがインドには“ダージー”と呼ばれる、テーラーが存在していまして、中には卓越した技術者も多かったと聞きます。
まぁ、ご先祖さんは山をノミで削って立派な寺院こしらえちゃうようなインド人ですから、本気出したら怖いですよ。
ちょっとした雑学を話しますと、IT産業の発達が特にめざましいインドですが、その理由は彼らを縛り付けるカースト制度の制限を受けないからのようです。そしてもちろん金になる。特に下の層の子供達は目を輝かせてIT産業を目指したわけですよ。
カースト制度は実際のところ廃止されているのですが、根強く残っています。
それ故新しい産業はその枠から抜けられるのですね。もちろんある程度教育を受けられる範疇のお話ですけどね。いまでもネズミを食べて飢えをしのぐような層の人達がいる世界ですからね。
とりわけ親と同じ事をする、基本それが生きるすべなんですね。
そう考えるとインドのテーラーは後継者を確保しやすそうですね。
こんなジャケットがタグも何の情報もなく数あるジャケットと同様にレールに掛かって売っていても、普通は “うん、ミリタリーのジャケットだね” で素通りするかもしれません。
売っている方も “これは△△といって○○でXXで状態も良いしサイズも日本人に一番良いS” なんて講釈たれてくれれば買う側の財布のひもも緩くなりそうですけども、現物ドン!挨拶Hi! だけで購入しなければいけないストリートファイトなんですよね、イギリスのミリタリーは。
もうイギリスが絡むと、必ずどこかで戦争が起きているわけですよ。
2)
まずはディテールを見ていきます。
ボタンホールは手縫いですね。意外とこの辺りのハンドスティッチは多かったりします。古い物ですからね。取り外しが容易なボタンが取り付けられる穴もだいたいが手でかがってあります。
エッジのミシンスティッチもきわっきわで細かく入っていますね。
悪くなさそうです。
>>>>>>>>>>>>>>つづく