第213回国会 予算委員会での岸田首相(当時)答弁 100m先で別居する娘に会えない父親 2025年1月25日 13:36 【国会中継】衆院予算委 岸田首相出席で基本的質疑(2024年2月7日) 7:02:30頃から 市村委員市村委員 ありがとうございます。サイバーセキュリティーといっても、情報セキュリティーと言った方が正しいと思いますので、総理にお願いします。 では、話題を変えまして、これは、今早急に、こういう実態があるということを総理始め内閣の皆様、そして全国の皆さんに知っていただきたいという思いでございます。それは何かといいますと、でっち上げによる実子連れ去りの実態があるということなんですね。 どういうことなのかといいますと、例えばDV、それから児童虐待、ストーカー等々のことに対しまして、そういうことに苦しんでいることに対しまして、これを守っていくという制度が今いろいろできてきています。それは、無論、そういう制度をつくって守っていかなければならないというのは当たり前の話なんですが、そのためにつくられた例えば相談制度とか支援制度を悪用して濫用している人たちがいるということなんですね。そして、ビジネスモデルをつくり上げて、それをお金にしているというような実態があるということなんです。 そのことによりまして、本来は被害者である方が加害者とされて、そして子供に会わせてもらえなくなる。ある日突然子供が消えるわけです、配偶者と一緒に。そして、これは男性の場合もあれば女性の場合もあります。あなたはDVである、あなたは児童虐待であるというような、そのような汚名をでっち上げて着せて、出ていく。そして、子供と会えなくなる。そういうことに遭うと人は心を病むわけでありまして、心を病んで、中には自殺、自死を選ぶ人もいるという実態があるんです。 総理、こういう実態があるのは今まで御存じでしたでしょうか。○岸田内閣総理大臣 そもそも、父母の別居後や離婚後における子の養育に関する事案に様々なものがあり、父母の一方が子を連れて別居するケース一つ取ってみても、不当な子の連れ去りという見方もあれば、DVや虐待からの避難という見方もある、まずこのように思いますが、その中で、裁判手続において、当事者の一方が自己の立場を有利にする目的でDV等支援措置制度の申請を行うなど、DVを受けたかのように偽装して主張する場合もある、そして、これを批判する意見がある、こうした実態があるという報告は受けました。○市村委員 ありがとうございます。私が後ほど申し上げたいことも含めて総理には御答弁を賜ったと思います。まさに、これは知れば知るほど、何ということだと思うことになるんです。 といいますのも、これを指南する、でっち上げを指南する人がいるんです。先ほどもビジネスモデルと言いましたけれども、結局、法制度を悪用、濫用するわけです。 実際、相談窓口に来られた方のうちの、いわゆる本当にDVとか児童虐待とかストーカーがあったと認定された件数は、令和四年度で千百十一件なんです。これはこれで多いと思いますが、しかし、相談に来た件数は、実はこの百倍と言ってもいいぐらい。つまり、百件に一件ぐらいしかいわゆる保護措置まで行ったケースはないんですね。ということは、中には、いやいや、この相談のうちの九九%はでっち上げに使われるために行かれているものではないかというふうに指摘される専門家の方もいらっしゃる。九九%ですよ。ほぼ相談はでっち上げであると。つまり、そういう事実をでっち上げて取りあえず窓口に行きなさいというふうに指南している人がいるのではないかと。 実際にユーチューブでそういう指南をしている声が出ているんですね。誰が指南しているか。何と弁護士さんなんです、弁護士さんの一部の方。 私は弁護士の友達もたくさんいますし、私の周りは立派な弁護士、敬愛する弁護士さんばかりです。しかし、中には、そういうことをでっち上げればいいのよという形で、そういう音声が残っているんです。でっち上げなさい、わざと相手を怒らせて、声を荒げさせて、それを録音しなさいとか、とにかく相手が嫌がることをして、ちょっとでも押されたら強く転んだふりをしなさいとか、そういうことを指南して、そして、そういう事実を積み重ねる。例えば、相談窓口に行きなさい、一回じゃない、二、三回行きなさい、警察にも行きなさい、そして、そういう積み上げででっち上げていくわけですね。 実際は、本当は、その連れ去られた方が例えば暴力を受けていた。最近は、女性だけじゃなくて男性も暴力を受けているケースが実は多いということもNPOの調査によって分かってきています。なかなか男は暴力を受けたことを余り言わないということでありますけれども。そういう形で、本来は被害者なのにもかかわらず、突然子供を連れ去られて出ていかれて、そして、いつの間にか加害者にされてしまうという現実が、実態があるんです。何度も繰り返しますが、それによって心を病み、自殺を選んでいる人もいるということなんです。 この実態を早くなくさなくちゃいけない、こういう実態を改善していくといいますか、改めていくというか、やめさせるというか、そういうことが私は必要だというふうに思います。 ここで、今日は国家公安委員長もこの場にいらっしゃるわけですが、このでっち上げによる実子連れ去りというのは、これは実子誘拐と言ってもいいのでしょうか。委員長の御答弁をいただきたいと思います。○松村国務大臣 お尋ねのような案件につきましては、重大な被害に発展する可能性もございますので、警察にお届けをいただければ、関係する方々からしっかりまずお話を聞いて、その上で、具体的な事実関係に即して、法と証拠に基づいて適切に対応することといたしておりますので、その過程でしっかりとした形が出るかというふうに思います。○市村委員 私は、刑法二百二十五条には営利目的での誘拐ということが書かれているというふうに聞いておりますけれども、結局、そういうことを、でっち上げを指南して、子供を連れて出ていけば親権を得られるからとにかく早く出ていきなさいと、去年の十一月だったか、ある自治体では、自治体主催のそういうセミナーがあって、そこで弁護士が登場されて、そして、早く子供を連れて出なさい、そうするといいというようなことを、離婚を奨励し、そして、そのための手ほどきをしているセミナーがあったと聞いていますが、私は本当に悲しくなります。 昔から、夫婦げんかは犬も食わないと言っていた時代で、隣近所のおばちゃん、おじちゃんたちがまあまあと言ってなだめていた時代から、今や、自分たちの利得のために離婚を推奨して、そして、そのためにでっち上げさせる、そのために保護措置制度や相談窓口、相談制度を悪用する、濫用する人がいる。 しかも、弁護士さんのバッジというのは、我々は菊ですけれども、あれは周りはヒマワリらしいんですが、ヒマワリというのは正義の象徴なんですね、正義の象徴。一体どこに、こんな指南をして自分の利得にするのが正義だと、本当に一部だと思いますが、そういう専門家がいる、弁護士がいるというのは私は本当におかしい、こう思いますが、今日は法務大臣もお越しですが、どう思われますか。○小泉国務大臣 離婚などの裁判手続等において、当事者の一方の立場を有利にする目的で、DVを受けたかのように偽装して主張することを弁護士が促して報酬を得ている場合もあるとして、これを批判する御意見があることはよく承知をしております。 なお、裁判手続等における弁護士の活動の当否については、各個別の事件を担当する裁判所において法と証拠に基づいて判断されるべきものであるため、コメントは控えたいと思いますが、あくまで一般論として申し上げれば、裁判手続の当事者は、信義に従い誠実にその手続を遂行するべきであると考えます。○市村委員 ありがとうございます。 国家公安委員長、もしこれを実子誘拐とした場合は、それを指南した弁護士は幇助罪に当たるということも考えられなくはないと思いますが、いかがでしょうか。○松村国務大臣 刑法の解釈については法務省からお答えがあるかと思いますけれども、警察については、お届けがあれば、しっかりと法と証拠に基づいて捜査をやるということになります。○市村委員 ありがとうございます。 ここで、今日は最高裁の局長がいらっしゃっていますが、結局、悪用していますから加害者にされている、今は改められましたが、支援措置制度を悪用して加害者にされてしまうということがあって、裁判の場では非常に不利なんですね。本来の被害者が加害者にされて裁判になるわけで、全然聞いてもらえないわけです。 今こういう実態があるということを改めて認識していただいて、ほぼでっち上げであることを前提として裁判に当たっていただきたいと思いますが、最高裁局長、どうでしょうか、最高裁の見解を聞かせてください。○馬渡最高裁判所長官代理者 お答えいたします。 最高裁家庭局といたしまして、個別の事案における審理や判断の在り方について申し上げることは差し控えますが、一般論として申し上げれば、家庭裁判所の手続におきましては、例えば、調停手続では、中立公正な立場から当事者双方の言い分を丁寧に聴取しながら手続を進めており、また、審判手続におきましても、一方当事者の主張、立証に対して相手方に反論や反証の機会が保障され、こちらも公平中立な立場から証拠資料に基づく認定、判断が行われているものと認識しております。 今後とも、公平中立な立場で適切な審理が尽くされるよう、最高裁家庭局としても各家庭裁判所に対する支援を進めてまいりたいと考えております。○市村委員 最後に、総理、こういうことを改めるのは国権の最高機関である国会しかこれはできません。今日こういう実態があるということを総理がお聞きになられて、最後にいま一度、総理のこういう実態に対する思いを聞かせていただければと存じます。○岸田内閣総理大臣 個別具体的な当事者の方の主張の当否ですとか弁護士の活動の当否についてコメントは控えますが、御指摘のDV等支援措置制度を含めて、やはり、支援を必要とされる方のところに必要な支援が届く、この基本をしっかり守って、それぞれの部署においてこの制度が従来の目的のために活用されるべく努力をしていくことは重要であると考えます。○市村委員 終わります。ありがとうございました。○小野寺委員長 これにて市村君の質疑は終了いたしました。第213回国会 予算委員会 第5号(令和6年2月7日(水曜日))https://www.shugiin.go.jp/Internet/itdb_kaigiroku.nsf/html/kaigiroku%20/001821320240207005.htm ダウンロード copy いいなと思ったら応援しよう! チップで応援する #弁護士 #実態 #指南 #実子連れ去り