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Fuji Rock Festival '23感想(温)
もし私が今回のフジロックのスローガン的なものを後付けするとしたら、「~いつまでも心に残る夢のひととき~」とかの路線ではなく、「楽しい!楽しい!楽しい!!!」って感じになると思う 笑。前回はJack Whiteの一線を超えるみたいな鳥肌モノの熱狂と洗脳のSeven Nation Army合唱で「マスクライブの終わり」をハッキリと自分の感覚の中に手に入れることができたのだけど、今回はそれをあたりまえの状態にしてあたりまえのようにハジけられたし、Louis Coleとかきゃりぱに象徴されるようなお祭り系アクトが自分の中でとびきりのハイライトで、「やっぱりフェスって楽しいな、、、!泣」ってなるフジロックだった 笑。
ストロークスってメンバーこんなに最高なの??
TL上に流れる「フジロックまであと〇〇日!」を見るたびに「あ…私ストロークス見れるんだ…」ってなってた。。。荷造りしてるときも、車で苗場向かう道中も、会場に着いてゲートが目に映ったときも、どんだけ思うんだよってくらい「あ…私ストロークス見れるんだ…」って心情になってた 笑。そのくらい今回のフジのストロークスって私にとって特大の目玉だったのだけど、≪ストロークスを観れた≫っていう実感とか曲に対する最高さとか思い出パワーのエモーショナルさとかっていうよりかは、「メンバー全員ヤバいくらい大好き」って感想がもしかしたら一番でかかったかもしれない 笑。"ロックとは何か"という問いに対する一つの直接的な答えになるような原点にして頂点のそれの中には、思った以上に各メンバーが独自のキャラとそれぞれの魅力を確立してて、思った以上に離散的にメンバーが存在していて、だからこそそれらが太く厚く合わさるときの"ストロークス"の音楽が、誰も手が届かないような偉大さの奇跡的で伝説的なものになってるんじゃないかっていう気がした。。。今回ライブという形で、そんなメンバーのそれぞれ独自の魅力に生でアクセスできたことがほんとにほんとに嬉しかった、、、!(TT)笑。
Gt : Nick Valensi
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ストロークスのギターロックがめちゃんこに最高なのはシンプルにギターそのものがめちゃんこ最高だから。私が思うにその最高のコアを大いに司るのはNickだと思う…!笑。ギブソンとかグレッチの身体が支えられるような信頼できる低音感、クセになる粘り気の中音域ノイズ感…そもそもまず彼が使ってるギターがとってもいい音だし、なおかつ彼はそのブランド品のようなサウンドをこれでもかってほど引き出す名プレイヤーだと思う 笑。今回のフジロックで彼が私にとってストロークスの核の人物だということに気づいてすごくハッとした、、、
Dr : Fabrizio Moretti
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個人的にストロークスの音楽に愛着がわくのは曲がコンパクトなガレージロックの性質を持ってるところも大きいと思うのだけど、Fabrizioが前傾姿勢になりながら一心になってドラムを演奏するその姿はストロークスの曲のコンパクトさとその愛着を何倍にも高めてた 笑。The Modern AgeとかHard To ExplainとかIs This Itの曲はもともと私の青春を象徴する大大大のマスターピースなのだけど、今回ライブで彼のドラム姿を観たらさらにさらに好きになったよね…笑
Gt : Albert Hammond Jr.
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「ギターが最高」っていうNickのよさと「グルーヴが最高」っていうFabrizioのよさを引き合わせるかのようなAlbertのオリジナリティも壮絶に最高だと思う…!泣。鉄壁のテンポ感にダウンストロークでガツガツ突き進みながら超イチオシのメロディーを奏でる感じ…それは紛れもなくストロークスの精神だし、光るものがありまくりだし、もう彼から発せられる何もかもが良い、、、笑。ストロークス自体に巨大な魅力があるのに、その中の部分的なところ取り出しても本当に抜け目ないということ彼から感じられる。今回ソロを存分に観れたのたまらなくよかった。。。笑
Ba : Nikolai Fraiture
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Nikolaiのベースは、音量がちょっとでかめで、シンプルに極められてて、どこか落ち着いてて、マイペースで、ストロークスに一種の余裕とテキトー感を与えてくれるキャラなイメージ 笑。Fabrizioのドラムとの親和性がすごくいいし、ギター二人組が決まりすぎてるところ少し崩すバランスもある気がする。単純な低音という音楽的な調和以上にストロークスのマインド面でも発展性のある貢献を持ってる感じ、前述した3人だけですっっっごく個性あるのに、「あなたも最高なの??」ってめちゃめちゃ思った 笑。
Vo : Julian Casablancas
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MC中Albertとのやりとりで「なんでだよ 笑」ってツッコんでたり、観客に対して「静まれ!!……嘘だよ(^^)。」とか、Julianってこんなにも面白い人なんだって思った 笑笑。フジロックで彼の人柄を知ってからそれはそれはとてつもなくストロークスに対する好感が爆上がりしてる。。。笑。純粋にボーカルとしてドライな声質とかアンニュイな感じとかでJulian大好きだけど、今回ライブで知った人柄を反映するとそこのカッコよさに何かギャップ萌え的な作用も生じるというか…もう大好きさがとんでもないことになってきた、、笑。ギターロック・ガレージロックの神的シンボルの一人でありながらこの愛嬌……。ストロークスって楽しい!ほんとのほんとのほんとに楽しい!!!
ベストアクト : Weyes Blood
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私にとって彼女の歌は勝利の歌。それは生きるのがどれだけツラくても、理不尽な暴力でどれだけ傷ついても、希望が何一つ見つけられない暗い暗い絶望の中でも、それでも空高く昇って力強く輝くような歌。人間の心や感情について私は何一つとして理解できていないけど、誰かの哀しみを分かるような口は全く利けないけど、それでも私は、少なくとも私は、いつも死を恐れていて、同時に心の奥で生きたいと願っている気がする。どれだけ孤独でもしんどくても、生きたいという正の感情がいつも心に微かに燈っている気がする。彼女の歌はその微かに燈ってる私の正の感情を持ち上げて掲げてくれる。それを正しいと肯定して、私の生きたい気持ちを一緒に信じてくれるよな気がする。今回フジロックで、私はそれを現実的に認知した。彼女が私の目の前で歌を歌って、私の生きたいと願うその感情が空高く昇って輝いた。できるのであれば、今後永遠にそのとき見たナタリーの姿とその感覚を忘れたくない。何度挫けても克服して、自分の命の最期にこれまでの全ての苦しみに勝利する感覚を覚えていたい。そんなこと不可能だと思うけど、でもライブ中Moviesを観ていたその瞬間だけはそれができていた。深い深い海に沈んだ中からずっとずっと上昇して、自分の命の最期における勝利を力強く信じていた。
改めて、今回のフジのマイベストアクトはWeyes Bloodだったと思う。衣装、演出、パフォーマンス、リアリティ、全てにおいてそう。
ベストアクト : 1位以降ランキング
① Weyes Blood
② Louis Cole
③ The Strokes
④ きゃりーぱみゅぱみゅ
⑤ Ásgeir
⑥ Slowdive
⑦ Caroline Polachek
その他 ベスト邦楽 : ROTH BART BARON
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ホムカミ、ニコニコタンタン、君島大空、長谷川白紙、羊文学…今年のフジロック出演の邦アーティストの中で自分が気になったやつ幾つもあったのだけど、その中でみたので一番刺さったアーティスト。曲を聴いてて一つ一つで世界や物語を明確に得られるって本当に感激する。メロディーとか曲展開とかがいいというより、彼が音楽でやりたいこと、描きたいこと、信じたいこと、そういう中身が見えることが何より嬉しかったし、実際そこにある物語と情景と感情と、彼が見ていること、考えていること、その意思と思想と人間と、彼本人のことがたまらないほど大好きだった。ルックスもイケメンなのに音源も半端なくいいってもうずるい、、、あまりにも完璧すぎるからもはや何か欠けていてほしい。。。笑