不倫の代償 Y子の場合
私は女友達が少ない。女性って、正直どう付き合っていいかよくわからないのだ。そのかわり、数少ない女友達はとても大切にしている。Y子はそのひとりだ。
Y子は20代前半で、私よりだいぶ年下なのだけど、わりと程よい距離感で付き合ってきた。どちらかというと大人しく、遠慮がちで、おずおずと話すタイプの女性だ。でもちゃんと芯がある。
一度もいじってないのに、大きい瞳に長い睫毛、小さくてキュッと高さのある鼻、キメの細かい滑らかな肌。ポポちゃん人形のように可愛らしく手足も長く、私がこのルックスだったら人生楽勝なのになと思う。
でも、何故かいつも不幸な恋愛に頭を突っ込んでいく。まるで自ら望んでいるかのように。
それが、Y子の抱えている闇だ。
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秋の終わり頃、Y子から珍しく電話があった。「つかふるさん…」泣いているようだったので、こりゃなんかトラブルだなとピンときた。
「私…、実は長いこと結婚している人と付き合っていたんですけど…、昨日、奥さんから連絡がきて…」
Y子が不幸な恋愛をしているであろうことは薄々勘付いていたが、あえて深掘りしたことはなかった。Y子も話したがらなかったからだ。たまに「恋愛の方はどう?」と私が聞くと、Y子はいつも決まって「ダメです」と即答した。「相変わらず、全然ダメです」と。
その恋愛がどうダメだったのか、そしてY子がどんな罰を受けることになるのか、私はこの渦に巻き込まれるようにして知っていくことになった。
これまで、不倫している女性も男性も数えきれないほど見てきたけれど、実際に奥さんから内容証明を送られたり、弁護士を立てたりした人はいなかった。みんなうまいことやっていたのだ。でもY子は違った。だから私は今回、Y子のサポートをする中で、不倫の代償というものを目の当たりにすることになった。知り合いの弁護士に色々教えてもらい、“不倫”というものが現代日本の法律でどのように扱われるのかよくわかった。
ここまで読んでヒヤッとした人、今この時点で既婚者に惹かれている人、周囲で不倫沼にハマっている友人がいる人には、今回のnote、ちょっと読んで欲しいかもしれない。
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Y子の自宅に内容証明郵便が届いたのは、私が電話を受けた約5日後だった。そこには、
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