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インド駐在生活あるある7選
1.インディアンタイム:予定通りにいかないが普通
2.大気汚染に圧倒される
3.刺激が強い食文化:辛さ、甘さ、スパイスの洪水
4.電力問題:停電多発、電気が来たり来なかったり
5.1つの国だけどまるでEU:多様すぎる文化
6.言葉とコミュニケーションの工夫
7.驚きのホスピタリティ
1. インディアンタイム:予定通りにいかないのが普通
インドで生活していると、時間に対する考え方が大きく異なることに気づきます。インドに限らず、途上国あるあるといえばそうなのですが、ミーティングやイベントが予定通りに始まることは少なく、「インディアンタイム」が存在します。
それから、インドは予定が簡単に入れ替わります。どういうことかというと、日本では先約があれば、後から重要なアポが入っても、よほどのことがない限り先約を優先しますよね。でも、インドは違います。重要なことがいつも勝るのです。いくら前々からアポを取り付けていようと、重要なアポや面会が入れば、そちらが優先され、直前でも簡単に変更されます。
もちろん、すべてがすべてそうではありませんが、あらかじめ時間の余裕と心の広さを持って予定を組んでおかないと、無駄にイライラしてしまいます。
2. 大気汚染に圧倒される
デリーに来るとおそらく皆さん驚くのが、深刻な大気汚染です。特に、10月末から2月頃にかけては、PM2.5の濃度が非常に高くなり、外に出るとすぐに息苦しさや頭痛を感じます。空はどんよりとした灰色に覆われ、遠くの景色もほとんど見えません。
この時期は、外出時には必ずPM2.5用のマスクを着用し、できるだけ屋内で過ごす。また、AQI(Air Quality Index)で数値をチェックして、なるべく数値の低いときに移動する。そして、家に空気清浄機は必須で、室内だけでも大気汚染から身を守る環境を整えることが大切です。ちなみに、私の家には空気清浄機が5台もあって、24時間フル稼働です。
私は持病で喘息を持っていて、特に肺が弱めなので、この大気汚染には心身ともにかなりやられましたが、現地の人々はある意味生まれたときからこの環境なので、生活の一部として受け入れて普通に生活しています。大気汚染で寿命が縮まっていることをなんとも思わずにいるのは、逆に怖いことでもありますが…。それでも、我々駐在員は、インド滞在中の健康への影響を少しでも避けるために、快適に過ごすための対策を講じる必要があります。
*AQI:大気質を数値化した指標で、大気汚染のレベルと健康への影響を評価するもの。
3. 食文化の冒険:辛さ、甘さ、スパイスの洪水
インド料理は有名ですが、辛い、甘いが極端で、スパイス、油をよく使います。よく、「毎日カレー食べるんでしょ?」と言われますが、いやいや、そういうわけではありません。インド人はきっと毎日カレーを食べても大丈夫なんでしょうけど、最近は食文化も多様化してきているので、駐在員たちは、イタリアン、日本、韓国、中国、フレンチなどなど様々に楽しんでいます。
逆に、毎日インド料理だと胃が疲れますね。あまり日本人には慣れないスパイスと油(ギー)をよく使うからだと思います。そして、こちらの「辛くない」はたいてい「辛い」です。なので、インド人の「辛くない」は信じちゃダメです。
甘いといえば、インドには世界一甘いお菓子があります。グラブジャムンというインドの伝統的なデザートですが、小麦粉、生乳、砂糖を使って、小さなボール状にした生地を油(ギー)で揚げ、甘いシロップに浸します。インドに来たら、世界一の甘さを一度ご賞味ください。
4. インドの電力問題:停電多発、電気が来たり来なかったり
電力の供給は不安定なこともあり、停電がしばしば発生します。最初は「どうしてこんなに頻繁に電気が消えるの?」と思いましたが、インドでは日常的で、停電後に突然復旧することもあれば、いつ復旧するのか全くわからないこともあります。ただ、デリー中心部のオフィスなどでは、必ずバックアップ電源があるので、停電してもすぐに復活します。でも、特に暑い季節には電力供給が不安定になりがちなので、デリーでも電気が戻るのに時間がかかったり、当然ながら地方ほど停電が長引いたりします。
5. 1つの国だけどまるでEU:多様すぎる文化
インドは多民族・多宗教の国です。ヒンドゥー教徒、ムスリム教徒、シク教徒、キリスト教徒など、さまざまな宗教が共存しており、街には宗教ごとの寺院やモスクが建ち並んでいます。特に、お祭りは宗教色が出て、特徴的かもしれません。
ヒンドゥー教
最も広く知られているのは10月末の「ディワリ」です。ディワリは「光の祭り」として、悪を打ち倒し、知恵と光を祝うもので、家にはランプやキャンドルで飾られ、花火を打ちあげまくります。(これが大気汚染の原因の1つ…)
また、3月中旬の「ホーリー」も有名で、春を迎えるお祭りとしてカラフルな粉を掛け合い、喜びを分かち合います。さらに、ヴィシュヌ神の誕生日を祝う「ガネーシャ・チャトゥルティ」や、シヴァ神を讃える「シヴラトリ」なども盛大に行われます。
イスラム教
最大の祝祭は「イード・アル・フィトル」で、ラマダン(断食月)の終了を祝います。断食明けに家族や友人と集まり、伝統料理やお菓子を楽しみます。また、「イード・アル・アドハ」も重要で、アブラハムの神への信仰を示すために羊を犠牲にし、その肉を分け合います。
キリスト教
もっとも有名なのは、やはりイエス・キリストの誕生を祝う「クリスマス」です。あとは、4月中旬の「イースター」も重要で、キリストの復活を祝う日として、特にカトリック教徒の間で礼拝やお祭りが行われます。
シク教
シク教徒の間で重要なお祭りは「グル・ナナク・ジェヤンティ」と「バイサキ」です。グル・ナナク・ジェヤンティは、シク教の創始者であるグル・ナナクの誕生日を祝うもので、寺院に集まって、みんなでお祈りを捧げます。また、バイサキは新しい農作物の収穫を祝う祭りで、シク教徒は伝統的な舞踏「バングラ」を踊ります。
6. 言葉の壁とコミュニケーションの工夫
インドの公用語はヒンディー語ですが、実際には英語を話す人が多く、特に都市部では英語が広く通じます。最初は、インド特有の英語(ヒングリッシュ)が聞き取れないということもありますが、なんでも慣れが重要です。特有のリズムや発音、言い回しに慣れれば、なんてことはありません。まぁ、依然として、話すスピードは恐ろしく速い傾向がありますが…。
また、インドの地域ごとに言語が異なるため、現地語はインド人でも全く理解できないということもよく起きます。インド人に聞いてみると、日本でいう方言の違いレベルではなく、全く別言語なので、何を言っているか理解不能というレベルの違いだそうです。それでも、インド人の共有言語として、ヒンディー語があるので、ヒンディー語、英語、現地語を混ぜながらのコミュニケーションが成り立っています。
7. 驚きのホスピタリティ
インドに来て意外なギャップで驚いたのは、温かさ、人懐っこさ、ホスピタリティです。見知らぬ人がフレンドリーに声をかけてくれたり、戸惑っていたら教えてくれたりと親切に接してくれることが多いです。社交辞令でなく、「私の家で一緒にディナーしよう!」と突然誘われることもあります。ここは推測ですが、インド人は、あまり自分と他人の区別が薄いのかもしれません。あまり知らない人も、親しい友人や仲間、家族のように思いやる精神を持っています。
特に、出張で地方部に行くと、歓迎ぶりがすごいです。ご飯やお菓子を振舞ってくれたり、お土産は持たせてくれるしで、スーツケースがお土産で埋まるなんてこともあります。
インド駐在は、予測できないことが多いですが、想像以上に多くの学びがあります。大切なことは、柔軟性、適応力、言葉で伝える力、体力!
これはまた別の記事で詳しく書きたいと思いますが、何よりインドという国の魅力を知り、好きになることで、充実した駐在生活の秘訣だと思っています。
インド駐在生活について知りたいことがあれば、コメントやメッセージをいただけると嬉しいです!