久しぶりに松本に行った話 ep.0

「駐車場も寝る部屋もあるで」

何年か前から『マーシィクン』がそんなことを言い出して。

”長いこと行ってへんからなぁ”
「今の家はだいぶ整ってきてるから、いつでもええで」
”『カニコウラ』がなくなってから何年やろ?それから行ってない”
「『ヤマナカ』の結婚式か。もうかなり経ってるやろ」
”え、前に住んでたとこの、下のお肉屋さん。もうないん?”

いっつもこの辺りで、話がそっぽ向いて有耶無耶になってて。
「いや、あそこの肉屋はまだある」ってのは、何十回と聞いてる気がする。
最近の『マーシィクン』は、かなりマメに松本へ来いと誘ってくれていた。

詳細は割愛せざるを得ないけど
チェコの旅人について『マーシィクン』から連絡があったのが七月末。
僕がちょうど一年で2番目に忙しい仕事が終わったタイミングだった。
その時の通話で、チェコの旅人の話もそこそこ、いつもの話の流れで
まぁまぁ、そろそろ松本やろなぁってことで、今回の運びとなった。

その時の通話は本当にひどいもので
ほとんど一方的にこちらが捲し立てて終わった。
電話越しにも、『マーシィクン』の表情がなくなっていくのが
はっきりとわかるくらい、ひどい日本語の羅列を発して終わった。

反省

アバウトな予定を軸に、それからの僕は
冷蔵庫の食材の消費と、よりハードなポールウォーキングに勤しみ
少しずつ、少しずつ計画を立てていった。そんな8月でした。


何を履いていくか?しか考えてない

どんな計画にせよ、全ては「何を履くか」で決まるので
幾つかに候補を絞って、最後まで悩んで、帰ってきた今も悩んでる。

まず、TELICのサンダルは必要だろう。
夜中に酒を買いに行く用に、これは絶対外せない。
早速カバンに入れてみたが、意外にかさばるのでがっかりした。
こうなると、選べるのはあと1足。それをメインで履いていくしかない。
長旅に耐えうる、いろんな環境に適した、それでいて気分のいい靴とは。

真っ先に思い浮かんだのは、BONDI7である。
機能的には申し分ないし、この機会に下ろすのもアリだ。
ただ、松本は意外とオールドスクールな街なので
なんとなく甲斐がないような気がして悩んだ。新品やし。
大自然までカバーできるかと言ったら、これじゃないなと諦めた。

ウォーキングを視野に入れるならカルデラも安心だ。
俗じゃないデザインは街を選ばない。なにせトレイルランニングだ。
だとしたらポールも欲しいよな。いっそ松本全部歩いて周ってやろうか。
そのつもりで、試しに荷造りしてみたけれど
とてもじゃないが、電車に乗れる感じにならなかったので諦めた。


コンセプトだ。コンセプトがブレている。
僕はなぜ松本へ行くんだ?松本とはなんだ?
山だ。『ヤマナカ』だ。アウトドアだ。瀬戸内とは違う雄大な自然だ。
だとしたら、服は機能的で、ラクなもの+アウトドアで……
靴は……靴はどうしたらええんや……

散々悩んだんだけど、結局はバーチャル関西の田舎モン。
松本おのぼりさんファッションでもカドは立つまい。
ということで「持ってるけど最も履く機会がないヤツ」を選ぶことにした。

こうして『ポンプフューリー香港返還カラー』に白羽の矢が立ったのだ。
ほれ、ちょうどよく下品だし、播州のバカって感じがするし
いまの僕にはこのくらいがお似合いさ。安かったし。
それにさ、どうせ靴なんていつか壊れるんや。履いてなんぼよ。

今年に入って、airmax95イエロ-グラデ、M1400 CANTY
ついでにジャックパーセルレザーも壊れたので捨てた。
ウン万円の損失になるけど、履かなかった僕が悪い。靴は壊れるのよ。

余談

それからはポンプフューリーに合う、変な色の靴下を探して
その変な色の靴下に合わせて、Tシャツやカバンを探したり
『ヤマナカ』に会うために、チューバッカのTシャツを買ったり
「思想の強いおせんべい」以外のお土産を探したりしながら日々は過ぎて


2024年 8月 23日
9年ぶりに、松本へ向かう運びとなりました。
僕からは以上。
また追って連絡し〼。

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