冬の気配

高くなった空を見ながら、
スピーカーから流れるラジオの音は
12月のはじまりを告げる

ああ秋の終わり
いよいよ冬だ

指をさした先には、
トンビが空をくるくると回っている
稲刈りの後を追って鷺が歩いている

柔らかな日差しに照らされた山々は
茶色くなって
灰色の世界を待っている

すうっと脇を通り抜ける
冷たさを含んだ風は
一日、また一日と気温を落としていく

大丈夫、
辛く寂しい冬じゃない
手の周りにじわりと温もりを感じる
小さな手のひらを
ぎゅっと握りしめて

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