Canada
『Full Moon Art Show』
2007年9月26日満月。
この日はぼくにとって忘れられない一日となった。
今年の6月に大好きな絵描きの∀KIKOさんとメールのやりとりをしていて、
∀KIKOさんと旦那さんでアンビエントDJのNOBUYAさん夫妻が9月にカナダへ旅行でやってくることを知った。
ぼくもみちも∀KIKOさんの絵の大ファンで、大好きな二人にカナダで会えることをメッチャメチャ喜んだ。
その話をバンクーバーで出来た親友でアーティストのWATARUと遊んでいた時にふとしてみた。
∀KIKOさんのHPを見せたりして飲みつつホッコリしつつ∀KIKOさんのアートの素敵さを語っていたら、WATARUが『いやー、なんかこっちでイベントできたら楽しそうやね!』と呟いた。
『たしかに!!!』 ピーン!ときた。
カナダの仲間やいろいろな人に、もし、∀KIKOさんの絵を見せて
あげられるなら、絶対アート好きのカナダの人たちは喜ぶに違いない、とぼくは思った。
『∀KIKOさんに聞くだけ聞いてみるよ!』
早速、こんな話があるんですけど~、と∀KIKOさんに聞いてみた。
∀KIKOさんの絵を中心に地元バンクーバーのアーティストたちの作品を展示し、NOBUYAさんにプレイしてもらったり、ジャンベやいろんな楽器でオーガニックなライブでもできたら最高だなー、と思っていた。
7月中旬ころ、ちょうどぼくがアラスカをキャンプしている時、∀KIKOさんから『面白そうだね。やってみようよ。』との最高に最高の返事が返ってきた!
おっしゃーーー!!! と大興奮。
一緒にいたBOHEMEのおっくんとがんばろーぜ!とアツくなった。
それからぼくとWATARUは9月末にイベントを開くために色々と行動し始めた。
一番の決め手は場所選び。
最初はWATARUがよくイベントをやらせてもらってる地元のBARでやる話が進んでいたり、友達の家のバックヤードで野外イベントにしようか?などいくつかの案がでた。
そして最終的に決まったのは、なんと一番最高のハコだった。
WATARUの親友のお父さんのJIMが所有しているドデカいイベントスペース。2フロアある。
しかもダウンタウンにあってアクセスも便利!
ぼくらの企画に快く賛同してくれて、ありがたく使わせてもらえることになったのだ。
スラムの入り口にあって、かなりファンキーな場所だけど、すっげーアンダーグラウンドで
というか、アンダーグラウンドの前のサブカルチャーが生まれるような、怪しくてクリエイティブな香りがプンプンするようなハコだ。
秘密の通路や隠し部屋があって、壁のいたる所にファンキーなペイントが描かれている。
『良ければ入り口の壁を使って、ライブペインティングをやってもいいよ。』とジム。
JIMはアートや音楽、そしてクリエイティブな遊びや空間が大好きで、気に入った企画であれば自分も参加して一緒にイベントを創ることを仕事としている。
かっこいい親父だ!
先週もアートショウをやっていたようだし、WATARUも前にここであったヤバかっこいいダブパーティーに遊びに来たことがあるんだって。
最高の場所も決定し、あとはきっとうまくいく!
∀KIKOさんとNOBUYAさんのタイミングとハコの空いている日を調整し、日程は9月26日に決まった。
なんとこの日は満月! 計らずしてフルムーンパーティーになっちゃった!!!超ラッキーだ。 なにかすげえことが起こりそう!
しかも9月の満月は1年でもっともデカい満月になる。
ウッヒョーーー!
イベント名は 『Full Moon Art Show』に決まった。
WATARUやぼくの友達の地元のアーティストたちが9人参加し、一階の大きなフロアで∀KIKOさんの絵を中心にアートスペースを創り、NOBUYAさんのアンビエントで空間を包み込む。
そして地下のフロアはブレイクビーツやスクラッチ、エレクトリックファンク、遊び心があるテクノ、ジャンベのジャミングなどでクレイジーでファンキーなフルムーンパーティ。
これは楽しくなりそうだ!
お酒の販売許可が無い為、口コミの宣伝しかできないというのが、唯一のジムとの約束だったので、ぼくらは沢山の仲間たちに協力してもらってなるだけ多くの人に来てもらえるようにがんばった。
9月18日。∀KIKOさんとNOBUYAさんが友達のヤスと一緒にバンクーバーに到着した。
早速、WATARUと一緒に車でみんなの所へ行き、会場の下見へ行った。
途中、会って早々車がパンクしちゃって軽くピンチだったけど、みんな超ポジティブだからそれも楽しみつつ、いいテンションで会場へ向かった。
∀KIKOさんとNOBUYAさんは長旅で疲れていたと思うが、CANADAになにか運命的な
ものを感じているようで、むしろいい力がみなぎっているような感じだった。
会場に入ると、二人の目が変わった。
様々なことを想像している。
NOBUYAさんは瞬時にDJブースの位置を中二階の高台がベストだと決め、
ジムに交渉している。 もちろんジムはOKしてくれた。
∀KIKOさんも自分の世界に入りこみ、想像力をフルに使っている。
話しかけられる雰囲気ではない。 いやーーー、すごい!本物のすごさだ!
あっという間にイメージが湧いたようだ。
『部屋の中心にカナダで選んだ岩や木を使ってストーンサークルを創る。』
絵の配置もほとんど決めた様子。
誰よりWATARUが驚いていた。
『すっげーな!さっきまでとは違う。急にアーティストの目になったね。』
WATARUもすごいアーティスト。
彼は絵も書くし、楽器もジャンベ・ギター・ウクレレ・ディジリドゥ・ボイスボックスなどどれも上手だ。
特にWATARUのジャンベはかなりアツい!その内、東京でも一緒にやるから、その時はみんな遊びにきてねー。
多才で愛にあふれた超いいやつ。これからがメッチャ楽しみなみんな応援したくなっちゃうようなアーティストなのだ。
こんなWATARUだからすぐに∀KIKOさんとNOBUYAさんのアート魂が伝わったのだろう。
翌日、WATARUの家でみんなでみちの作ったグリーンカレーを食べつつ、ほっこり作戦会議というか、楽しい時間とおしゃべりを満喫した。
そして翌早朝からソルトスプリングへキャンプ!(こちらから✴︎)
みんなリフレッシュ&パワーアップしてバンクーバーに戻ってきた。
『Full Moon Art Show』をデコレートする沢山の自然のものと一緒に。
そして、いよいよ準備に取り掛かる!
前日の夜中までかけて準備をした。
∀KIKOさんの空間をまず創ってから、空いているスペースに9人のアーティストたちの作品を展示する。一人のフォトグラファーと8人の絵描き。
みんなこの日のために、超がんばって作品作りをしてくれた。本当にありがとう!
メッチャいいバイブレーションが準備の段階から出まくっている。
NOBUYAさんも音を出して準備は万全の様子。
∀KIKOさんと打ち合わせて、ミチは部屋の中心におくストーンサークルの上に大きなドリームキャッチャーを製作することになった。
時間は少ないがミチにとってもまたとない嬉しい機会。
アラスカのデナリ国立公園から持ち帰ったクリスタルが沢山詰まった石を中心にしたドリームキャッチャーを一生懸命創った。
超ワクワクだー!
そして当日。
7時にオープンした。
入り口を入るとすぐに、みちが作ったドリームキャッチャーが皆を迎える。
エリックのピアノによるジャズライブで『Full Moon Art Show』は幕を開けた。
そしてNOBUYAさんの独自のアンビエントの世界へ・・・・・
アートショウらしくぼくはみちに頼んでオードブルを用意してもらった。
それを友達の女の子たちがお客さんに配ってくれる。 いい感じだ!
お客さんはどんどんやってくる。
そして皆同じように∀KIKOさんの作り出す世界に引き込まれ、彼女の作品の前に立ち尽くす。
だってものすごくかっこいいからね!
カナダ人は日本のお客さんと違って、めっちゃストレートに感激を表す。
NOBUYAさんのプレイも、きっとこいうプレイを聞いたことがないのだろう。
独特の音楽の世界にワクワクしながら引き込まれていく。
『こんなにかっこいいアンビエント聞いたことが無いよ!』
といいながらみんな幸せそうに絵に見入ったり、ビール飲んで談笑したり、
体を揺らしたりしている。
いろんなお客さんがやってきた。
年齢も職業もさまざまだ。
ギャラリーを経営している人やアートスタジオを持っているディレクターやミュージシャン。
学校の先生や絵描き、本当にあらゆる人が人を呼び遊びに来てくれている。
そしてみんなが目をきらきらさせてこのアートショウを楽しんでいるのがよくわかる。
ぼくにお礼を言ってくれる人もたくさんいた。
このアートショウは、満月の力としか考えられないが、誰もが想像できなかったほど本当にピースフルな幸福感にすっぽり包まれていた。
10時ころから地下のダンスフロアをスタートさせた。
踊れ踊れーーー!!!
ベンのファンキーでクリエイティブなDJさばき! 原曲をいじるいじる!
NORIのスクラッチも激ヤバだ。 ブレイクビーツでみんなクレイジーに踊りまくっている!
しかもよく見ると一番前でガン踊りしているのはJIMじゃないか!
JIMが一番楽しんでいるようで最高だ! HAHA!!!
1Fのアートスペースも人でごった返している。
∀KIKOさんは忙しそうに色んな人に囲まれている。
カナダの人は感動をすぐにアーティストに伝えたいのだ。
そしてNOBUYAさんが津軽三味線の曲を絶妙なタイミングでかけた。
一気に空気が変わる。
カナダ人にもこれが日本の音楽だと伝わる。
この空間にこの音。 これは上がるしかないでしょー!!!
すると、三味線に合わせてジャンベのビートが鳴り響く。
WATARUがNOBUYAさんのプレイにドンピシャ合わせてきたのだ。
鳥肌もののコラボでいい感じにお客さんも興奮!!!
大勢来てくれた仲間たちも『ユウイチロウ最高だよ今夜は!!!』
とビール片手に大盛り上がり。
参加してくれたアーティストたちも、みんなまた次回を楽しみにしていると言ってくれた。
みんなが大満足している。
お客さんもアーティストたちもここのオーナーのジムも。
こんなに最高のパーティーはなかなかない。
ぼくも人生で一番いいパーティーだと思った。
大きななにかが力を貸してくれたような、最高にハッピーな夜。
色んな人たちの協力と大きな何かの後押しでこんなにありがたい満月の日を過ごす事が出来た。
そして∀KIKOさんの作品を通してカナダの人たちが何か素敵なものを感じ取ってくれた手ごたえを感じることができた。
NOBUYAさんは結局6時間ノンストップで、超ロングプレイをしてくれた。
お疲れ様です!!! 最高でしたーーー!!!
こんなみんなにとっていい事ってなかなかないけど、こういう風に現実にあると、ただただ感激だ。
そして感謝・・・・・
結局朝4時ころまでアートショウは続き、210人ものお客さんが足を運んでくれた。
この『Full Moon Art Show』がきっとまた次なる何かにつながっていきそうな気がしてならない。
本当に最高の経験をありがとう!
協力してくれたすべての人に大感謝!!!
集まってくれたすべての人に超感謝!!!
みんなありがとねーーーーー!
いい事が雪崩のごとく起きますように。
PEACE!
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