怪我から復帰するスキー選手たち Vol.1
100分の1秒を争うアルペンスキーレースでは、少しでもタイムを縮めるためにより旗門(ポール)の近くを通り、ギリギリまで攻めます。
そんなギリギリの高速ターンの中で、少しでもバランスを崩してしまうとコースアウトや転倒、クラッシュしてしまいます。
怪我と隣り合わせのスポーツがアルペンスキー。ワールドカップおばさんも現役時代に膝の複雑骨折、靭帯損傷をしたものです。すごい痛かった・・・(涙)
近年は、治療やリハビリが進化していて、怪我からの復帰はだいぶ早くなっていますが、世界のトップを狙う選手たちの復帰に向けたリハビリやトレーニングはとても大変なことは変わらないと思います。
今回は、次の2023-2024シーズンで怪我から復帰して世界の舞台に帰ってきてくれるであろう選手たちを紹介したいと思います!
Atle Lie Mcgreth(NOR)アトレ・リー・マグラス
自身のInstagram投稿でもお知らせしてくれましたが、2023年Courchevel Meribel World Championships(FRA)クールシュベル・メリベルのスーパー大回転(スーパーG・SG)のレース中にクラッシュしてACL(前十字靭帯)断裂をしてしまいました。
技術系種目が主戦場のアトレ・リーはシーズン当初から、スピード系種目のスーパー大回転(スーパーG・SG)にチャレンジしていて、北米シリーズ Beaver Creek(USA)ビーバークリークのスーパー大回転(スーパーG・SG)でいきなり5位に入る好成績をおさめ、大きな話題となりました。
近年ワールドカップでは、少なくとも3種目で上位に入らないと年間タイトルを狙うには厳しい戦いが続いています。レベルが高い!
2022-2023シーズン年間タイトルを獲得したMarco Odermatt (SUI)マルコ・オデルマットは、滑降(ダウンヒル・DH)、スーパー大回転(スーパーG・SG)、大回転(GS)で表彰台常連。
彼に勝つには、他の種目にチャレンジしていかなければいけません。アトレ・リーも年間タイトルを見据えたチャレンジだったと思います。
彼は、2021年アーデルボーデンでの大回転(GS)でもMCL(膝内側側副靭帯)の断裂がありました。
自身のInstagramでチームメイトで小さい頃から仲良しのルーカス・ブラーテンと同じレースで怪我してしまった投稿が・・・。仲良しすぎでは・・・?
そのときも、今回も、転倒したあと割とすぐ起き上がって手を振ったりして自分でゴールエリアに戻っていたので「あれ?大丈夫そう?」と思ったのですが、のちにやっぱり怪我してた!というInstagram投稿があるというパターンでした。
世界のトップ選手と比べるのはおかしいですが、おばさんが靭帯損傷したときは全く歩けませんでしたよ?どんな強靭な肉体をお持ちなのでしょうか・・・。ノルウェーのフィジカルトレーニングはすごいと聞いているけども・・・。どちらにせよ、もう怪我はしないでほしい!
怪我あけシーズンだと、スーパー大回転(スーパーG・SG)へのチャレンジはおあずけかな?どのレースに出場するのかも注目ですね。
ルーカス・ブラーテンとのノルウェーの仲良しコンビの活躍は、ワールドカップの盛り上がりに欠かせないので帰ってくるのが楽しみです!
Alexander SCHMID(GER)アレキサンダー・シュミット
自身のInstagramで病院にいる投稿がアップされびっくりしました。
2023年Courchevel Meribel World Championships(FRA)クールシュベルメリベル世界選手権パラレル大回転(PL)で金メダルを獲得したアレキサンダー。
ゴールして金メダルが確定した直後の彼にチームメイトのリヌス・ストラッサーが子供みたいにジャンプして抱き着いて喜び合っていました。かわいかった♡
その後の、Berchtesgaden(GER)ベルヒテスガーデンでの練習中にACL(前十字靭帯)断裂をしてしまいました。怪我の詳細な情報はドイツチームの公式アカウントから発表がありました。
主戦場の大回転(GS)で、第一シードに入っているトップ選手のアレキサンダー。表彰台経験もあります。
世界選手権で金メダル獲得してシーズン後半も楽しみだっただけに、アレキサンダーの怪我のニュースを聞いたときはとても残念でした。
2023-2024シーズンの復帰が楽しみです!おばさん応援しています!
Victor Muffat-Jeandet(FRA)ビクトル・ムハット・ジャンデ
(注)血が苦手な方はスキップしてください!
2022-2023シーズンの1月開催のAdelboden(SUI)アーデルボーデン大回転(GS)のレース中にクラッシュして、ドクターヘリが出動するほどの大怪我に。
ワンピ(レーシングスーツ)がビリビリに破れ、意識がなかったビクトル。
深刻なクラッシュのときは、国際中継で様子をあえて映さない配慮をするのですが、まさにビクトルのクラッシュはまったく映さなかったので、深刻な状態であることが推察され、おばさんはテレビの前で心配でウロウロ・・・
レース再開までに時間もかかりました。
翌日になってから自身のInstagramで状況をお知らせしてくれました。
実はこのアーデルボーデンは、おばさん調べによると2017年にArmand Marchant(BEL)アルマンド・マーチャントが、2021年にtommy ford(USA)トミー・フォード、Lucas Braathen(NOR)ルーカス・ブラーテン、Atle Lie Mcgreth(NOR)アトレ・リー・マグラスが、(なんと3人同日に!)大怪我をする大波乱が起きたレース会場・・・。
ワールドカップおばさんは、いつもアーデルボーデンのレースは、誰も怪我をしませんように・・・と祈りながら観戦しています。
ビクトルは、その前の2021-2022シーズン前半1月のZagreb(CRO)ザグレブのレースで怪我をしていて、復帰シーズンでした。
自身のInstagramでのコメントにもありますが、このザグレブでのレースはコースコンディションの問題で数人がスタートしたあとに途中でレースキャンセルになったという波乱のレースだったのです。
波乱のレースで最も残念だったのが彼の怪我でした。(たくさんの選手がFISに対して意見を投稿していました・・・)
そこから復帰シーズンの序盤で再度の怪我・・・ほんとに辛いことです。
2023-2024シーズンは、とにかく怪我だけはしませんように!ビクトル!帰ってくるの待ってる!
Thibaut Favrot(FRA)ティヴォ・ファブロット
シーズン序盤11月に怪我をして「シーズンオーバー」と自身のInstagramで発表がありました。
大回転(GS)が主戦場で第1戦が終わったばかりのタイミングでの怪我でした。どのタイミングでも怪我は嫌なものではありますが、シーズン始まったばかりでこれからがんばろうってタイミングは選手にとって辛いものだと思います。
ティヴォは、2022年Beijing Olympic(CHN)北京オリンピックの大回転(GS)5位と好成績で、2022-2023シーズンの世界選手権の代表有力候補でした。
フランスは強豪国で選手層が厚く、代表争い※は熾烈ではありますが、世界選手権の開催地が母国フランスだっただけに出たかったでしょうね・・・
この悔しさをバネに2023-2024シーズンは活躍してもらいたい!
※世界選手権やオリンピックは各国4名までしか出場できません。強豪国はシード内にもっと多くの選手(8人だったかな?)がいるため毎回代表争いが注目されます。
(日本だと各階級1人しかでれない柔道のオリンピック代表みたいな感じですかねー?!)
おわりに
どんな怪我でもアスリートにとっては避けたいもの。アルペンスキーは、危険と隣り合わせの競技でもあります。
選手たちはもちろん怪我をしにくい強い体をつくっていますが、怪我をしない保証はどこにもありません。
FISにも常に安全なレース運営をしてほしいですね!(もちろん昔に比べたらたくさんの安全重視のルール変更がありました。)
復帰する選手たちは、シーズン初めはレース感を取り戻すのが大変だと思いますが、おばさん全力応援します!!
他にも怪我から復帰する選手がいます!つづきは、こちらの記事で紹介しているのでぜひ読んでみてね。
この他にもアルペンスキーワールドカップについての記事を投稿しています!マガジンにまとめているので、こちらもぜひ読んでみてね。