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【追憶の旅エッセイ #96】旅帖でよみがえるアメリカ内陸の地、大冒険の軌跡-1-
前の公開から、少しあいだが開いてしまった。
というのも、この大冒険のキャンプツアーは、間違いなく私の北米の旅のハイライトのひとつであり(オーロラとヨセミテ同様)、旅帖を見返しながらどの写真やできごとひとつとっても、熱い想いや思い出が芋づる式に繋がり収拾がつかない状態だったのだ、いやほんとに。笑。
でもいつまでも旅帖を眺めているわけにもいかないので、なにより冒険の素晴らしさを少しでもシェアしたいので指(筆)を進めることにする。
【Day1~2】
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初っ端から訪れたザイオン国立公園が、すぐさま私にとってハイライトのひとつになった。
モニュメントバレーやグランドキャニオンみたいに、その評価をあらかじめ知っていて期待値の高かった場所ではない。だからこそここでの体験は私をの期待を大きく上回ったのだ。
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ここでのハイライトは、The Narrows(ザ・ナローズ)、Angel Landings(エンジェル ランディングス)という2つのトレイルだ。
ザ・ナローズは岩山の間を歩くトレイルで、途中から道が川になっていて水の中を歩かざるを得ない。そうそう、こういうのが好きなの。オーストラリアの国立公園でも「泳いでしかいけない滝(しかも乾季に)」、というのがあり、そういう限定感の強い冒険にそそられるのだ、私は。
ジーンズをまくりあげ、ぐんぐんと進む、もちろんジーンズが濡れるのは想定内。それくらいワイルドじゃなきゃ、冒険って言えないもの、と嬉々として歩いたっけ。
エンジェル ランディングスは両端が断崖絶壁になっている、切り立った岩山の峰を登っていくトレイルで、私のアドレナリンは最高潮に達する。チェーンを握り締めて歩く崖など、特に大好物だ。そんな私を見て後ろから、「miaってば、マウンテンゴート(シロイワヤギ)みたいね!」という声が聞こえる。そのときから、私のあだ名は「マウンテンゴート」になった。苦笑。
エンジェル ランディングス、天使が降り立つ場所。途中でリタイアした人もいる中で辿り着いた、頂上から見た景色はその名の通り忘れがたい。
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この日はまだあって、大冒険した後にさらに移動し、ブライスキャニオン国立公園へ。
こちらもかなりユニークな地層で、皆疲れていたけれど、一時間半ほどのトレイルを歩いた。奇岩が乱立しているようでまとまりをもって、ひとつの景観を造り出している。少しだけ、トルコのカッパドキアに似ているかも。
夕方にはプランに入っていたロデオを鑑賞した。標高が高いせいもあり時間と共にどんどん冷え込む中、唇を紫色にし震わせながら見たロデオ。苦笑。
でもこの後、温かい食事とシャワーにありついている。皆でロデオの愚痴のひとつもいいながら頬張ったピザ、美味しかったなぁ。
【Day3】
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大冒険をいくつもこなし、ロデオまで組み込まれていた日があれば、ほとんどが移動で終わる日もある。
アメリカは日本とは規模が違うから、移動も一日仕事なのだ。
この日の目的地はアーチーズ国立公園。テントを張り寝床の確保が済んだら、本日のハイライトキャニオンランズの夕日を見に行くことに。
それがこの旅帖の写真なのだけれど、自分たちは地上レベルにいるのに、まるで上空から見ているような気分になる不思議な景色だった。
【Day4~5】
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この日は朝からバイキング(自転車)に行く予定だったのだけれど、私は体調もあり(女子の日)、気分もそこまで乗らなかったので休ませてもらうことに。
急に手に入った、まったく知らない町のひとりの時間。これ以上ワクワクすることがあるだろうか!苦笑。ツアーも好きだけれど、やはりひとり時間は私にとって必要不可欠だと思い知る。
結局、カフェでしばらくこのツアーの消化をし、ぶらぶらと町歩きをしているとあっという間に皆が帰って来る時間になった。
そしてアーチーズ国立公園に滞在し、夕日と朝日を堪能した。
夕日の時間は、徐々に真っ赤に染め上げられる赤土の岩肌に目を奪われた。色んな角度から見たいと、また「マウンテンゴート」っぷりを発揮して対面の岩山に登ったりもした。
翌朝はまだ暗いうちから起きて、懐中電灯を持って朝日を見る場所まで歩く。足元が見えないトレッキングは神経を使う分、疲労感がいつも以上な気がする。でも、そこから見た景色もまた、忘れがたい。価値はあったと言える。
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そして次の目的地は、既出の「カウボーイキャンプ」だ。まさか、こんなツアーの真っただなか、胸をときめかせるできごとに出会うなんて、アーチーズで朝日に感動していた私は、知る由もなかった。
続く。
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