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#47 天敵はだれにでも


 ウナギの稚魚は高級品だといわれています。最近国内ではなかなか、手に入らないそうです。そのため、あるとき日本のウナギ専門の業者がカナダでから稚魚を空輸しました。ところが、移動中に9割の稚魚が死んでしまいました。
 ということは、1万匹のうち日本に着く頃には1000匹しか生きていない計算になります。原因はストレスでした。この問題を解決するため試行錯誤を繰り返しました。なんとかして、その生存率を上げるためいろんなことを試したのです。

どうしたらストレスが減るのか

 
 もちろん教科書にもインターネットにも載っていません。試行錯誤の連続です。例えば、クラシックの音楽を聴かせるとか・・・ いろんなことを試してみたそうです。ところが、なにを試しても効果がなかったそうです。もうあきらめかけたころ、あるとき、9割の稚魚が生きて日本に着いたのです。
 「えっ、どうして?」って誰しも思いました。
 そのとき、稚魚の水槽にナマズが一匹、紛れ込んでいたのだそうです。ナマズはウナギの稚魚の天敵です。つまり、稚魚を生かしていたのは稚魚の天敵であるナマズだったのです。 稚魚はナマズに食べられまいとして、逃げ回ります。だから元気でいられるのです。うなぎの稚魚にとって、ナマズは確かに迷惑な存在です。けれどもその迷惑な存在のおかげで、多数の稚魚は生存できたのです。その意味では恩人になります。
 稚魚にとってナマズは敵です。本来敵がいない方が稚魚は長生きできると考えますが、実際はこの天敵のおかげで稚魚は元気でいられるのです。

 私たちは、敵なんていないほうがいいと誰しも思います。私たちの人生においてもこのナマズみたいな存在の人っていませんでしたか?「あの人さえ、いなければ・・・」って思う苦手な人。誰にも思い当たるのではないでしょうか。子どものころ教室に、社会に出てもそういう存在の人が必ずいるものです。
 「なんでまた・・・」という思い。ところ変わっても、逃げようとしても、避けようとしても必ず現れてくる自分にとってこのナマズのような存在の人。

 「どうして私ばっかり・・・」という出来事は、それがあなたにとって必要な出来事だからです。でも知識でそうわかっても、なかなかそう思えないのが現実ですが。
 しかし、それでこの話は終わっていませんでした。この「思うようにいかないこと(天敵)に対してどのように向き合っていくかがその後のあなたの人生を決める」と私の読んだ本は読者にくぎを刺していました。

 最後までお読みいただき、ありがとうございました。  


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