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#120 Yes,but・・・(若い人は是非読んで!)

 昔は私もよく年上の人とぶつかっていましたが、今はなくなりました。ある雑誌にこんなどこの会社や学校にもある上司と部下のやりとりが載っていました。

部長「Aがいいと思うんだが」
課長「そうですねぇ」
係長「いいですなぇ」
先輩「それにしましょう!なっ、松本!お前もそう思うだろ?」
新卒の私(松本)「私はそう思えません。」
一同「ポカーン」
部長「ど、どういうことだ?」
課長「何言ってるんだ松本くん」
係長「お前なぁ!生意気だぞ」
先輩「何言ってんだお前!」
私「え?だってAってもう古くて、今からやっても仕方ないですよ。ありふれてるというか、むしろ逆にBの方がいいですよ!」
部長「(むっすー)」
課長「お前とりあえず黙っとけ!これはAで行きます」
係長「Aの方がうちには合ってますよ」
先輩「Aの方が安いですしね」
私「いや、でもBもだいぶ安くなってきて、世の中的に今からAを..」
課長「松本くん、君の意見は聞いてないよ。うちには合わないと言ってるんだ、何も知らないで!」
私「いや、世の中に合わせてかないと遅れていってしまいますよ!無理してでも合わせて..」
係長「ちょっとこい」
私「えっ、あっいや、はい…」
部署(ざわざわ…..)

〜別室にて〜

係長「よし、松本くん。お前はやっぱり頭がいいな」
私「えっ!?いや、それなりに勉強はしてますが」
係長「お前の言ってることは全部合ってたし、明らかに部長の案は微妙だったな。よく気がついたな」
私「ありがとう?ございます??」
係長「でだ、松本くん。君の目的はなんだ?
私「えっと、さっきの打ち合わせでは、Aでなくて、Bを採用した方が良いという意見を通して、会社の利益を最大化することです」
係長「だとすると、今のやり方ではダメだなぁ」
私「なぜですか?参加している以上は、自分の思った意見を言わなければ!」
係長「じゃあお前、彼女とデートしてて、何かしらのウンチクを語った時、小学生に『それは違うよ』って懇切丁寧に説明されて、本当に自分が違った時に、素直に彼女の前で、すまん俺が間違ってた、君はすごいなってなるか?」
私「それはちょっと恥ずかしいですね。食い下がっちゃうかもしれません」
係長「そういうことだよ」
私「じゃあなんで言えばいいんですか?」
係長「YES butだよ。」
私「イエスバット?」
係長「今回の話ならな、Aもいいですね。Aにはこういうメリットがある、こういう良い面がある。と、一通りその意見をとことん肯定する」
私「はい?なぜ?間違ってるのに?」
係長「意見を言う時、人は肯定されたがっているんだよ。某SNSでも高評価ボタンってのがあるだろ?あれを押してもらえれば、多少反論されてもまあ、そうかなと思うんだよ」
私「なるほどです。いったん認めるわけですね」
係長「そうだ。そして、相手が一通り意見を言い終えてから、みんなでいったん褒めて、そのあとデメリットと対案を出していくんだよ。」
私「時間の無駄では?」
係長「違うんだ。お前のやり方だと、相手の存在そのものを×と言っているようなもんなんだよ。部長の考えたことは×ですよ!って言っているのは、部長の脳内が腐ってると言っているようなもんなんだ」
私「そこまで言ってないですよ」
係長「言った方はそうだろうが、言われた方はそうは思わないんだよ。否定された相手ってだけで、反対もしたくなる。逆に肯定された相手なら、肯定してやろうと思うもんだ。作用反作用みたいに覚えとけ!否定したら否定される、肯定したら肯定される
私「人間ですね」
係長「そうなんだよ。人間と仕事をしていく。お前は新卒だから、一番若い。世の中には、見た目と年齢で人を見る奴もたくさんいる。だから、まずは相手を立てろ。わかるか?」
私「YES butですね」
係長「そうだよ。今回だったら、Aに対しては、それもいいねってスタンスだよ。Aは合格点80点レベルだなって評価をしてやるんだ。そのあと、お前が思っているBの方が100点に近いかもしれませんと言うわけだ。」
私「なるほどです。そう言うテクニックってことですね」
係長「そうだ。これを当たり前のように使えると、恐ろしいほどに自分の意見が通りやすくなるし、周りとの信頼関係もできてくる。あの人は肯定してくれて、さらにアイデアまで出してくれる。となるわけだ。」
私「なるほどです」
係長「今の松本くんだと、あいつは否定してくる。自分の方がすごいと偉ぶっている。となっているわけだよ。」
私「ありゃりゃ。同じようにそう思わないと言う意味なのに全然違いますね。」
係長「目的は●●を通すことだろ?Aを否定することでも、部長に恥をかかせて、怒らせることでもない。
私「すみませんでした………」
係長「いいんだよ。1回目は誰だってある。機嫌が治らないと、この先毎回めんどくさいぞ。一緒に怒られてやるから、謝りに行こう。俺の教育が悪いってことで済むからさ」
私「ありがとう…ございます…」
係長「そのかわり、2度目はダメだぞ。もう、教えたからな。
私「肝に銘じます!」

 「Aっていいですよね。こんなところもいいところですね。(A案のよさを認める)あー、でも、こんなデメリットもあるか。いや、それでもあの値段ならベストチョイスかもしれないですね。あ!Aって案のおかげで思いついたんですけど(一旦A案に恩を着せる)、Bの方がいいかもしれません。(B案のよさを主張する)だってBって…….」

 「そうだなぁーたしかになぁーやるねぇ」

 「いやいや、Aって案がなかったら思いつかなかったですよ。一緒に編み出したみたいなもんじゃないですかー!みんなでやっていきましょう!」

 人間はどんなに高尚な理由を言って相手を論破しても、結局最終的に感情で判断してしまうものです。相手が気に食わないと思ったら、どんなにその人がいいことを提案しても素直にそのよさを認める気にはなりませんよね。だから、まずは相手の言い分を認め、そこから自分の土俵に引きずり込んでいき、相手を納得させる。それだけじゃあなく、相手の意見があったから、自分は思いつけたと、相手を立てることを忘れなければ、自分の意見はみんなの意見となり、感情的なしこりがなくなり、丸く収まるのかもしれませんね。

 もちろん、方法はyes,but・・・だけではありません。これはあくまで一つの方法に過ぎないのです。いろいろ考えてみるとよいですね。

 最後までお読みいただき、ありがとうございました。


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