
『子どもへのまなざし』佐々木正美著
こんにちは😃
いきなりですが…わたしは児童精神科医 佐々木正美氏を尊敬してます。
佐々木正美さんは、アメリカのノースカロライナで学んだ、自閉症児への教育アプローチ「TEACCH」プログラムを日本に広めてくれた児童精神科医。
『TEACCH』とはなんぞや?🤔
…ですよね…🙄
わたしも知らなかったのですが、今も療育の世界で使われている方法だそうです。
なんだか難しそう…と、思われますか?
いえいえ…この本は、医学的専門書というより、知識のない人でもわかるように平易な言葉で、穏やかに語りかけてくれているような文章です。なので、安心してください。ドクターの専門分野のため自閉症に関する記述が多めですが、広く捉えれば、どんなお子さんにも当てはまる内容ともなっています。
本書では、親子のコミュニケーションの大切さ・意味を詳しく・やさしい言葉で教えてくれます。
🌟赤ちゃんが大きくなる過程で…必要不可欠なこと🌟
◎親子をとりまく周りの理解や環境を整えること。
自閉症スペクトラムを持つお子さんにとっては、周りの理解と環境がとても重要な意味をもちます。でも、それは、自閉症児以外も同じこと。その子にとって適切な環境で、適切な理解をしてもらえれば、『その人らしく』『落ち着いて』いられるものです。
反対に『その人に合わない』環境・理解がなければ…?どうなっていくと思いますか?
立ち止まって少し考えてみてください😌(私の解答は最後に書いておきますが、答えは一つではない、人それぞれ違ってもいいとおもいます)
また、本書では、「エリクソンの発達課題」などの考え方・認識が学べます。
人間は、赤ちゃんから大人へ、大人も若年期から老年期へと、発達し変化していきます。その過程で、発達の節目ごとに課題があり、その課題をクリアーしないと次の発達段階へ進めないという内容です。
…難しそうですか?
例として、2〜3歳ごろに見られる『イヤイヤ期』…昔は『第一次反抗期』と呼ばれていましたね。わたしは『第一次思春期』と呼びたいので、そう書きますね。なぜなら、昔の『第二次反抗期』が、今は『思春期』と呼ばれているからです。『反抗』というと、なんとなく『負』『悪い』『わがまま』というイメージだけども、そうでなくて、『自己主張』『わたしはわたしなんだ』『わたしはママ・パパじゃないんだ』と、『自立しよう』としている姿なんだ。自己表現しているんだ、と捉えてみる…
そう捉えられたときの印象は…まるで…度の合ったメガネをかけたみたい!わかります?
急にピントが合い、クリアーな視界になった瞬間!そして慣れない視界に目が疲れる…みたいな感じ!
わたしは乱視がキツく3歳で眼鏡かけたのですが、それまでのボヤケた視界から急にクリアーな視界になって、すごく驚いた経験があります。モヤモヤが晴れたとき…ってそういう感じなのです。
脱線しました😌
第一次思春期の話に戻ります。
発達と発達課題
『自己主張』『イヤイヤ』を十分にやり、大人はそれに付き合う。『イヤイヤ』のやりとりを続ける過程で、『わたしのイヤとママのイヤは違うんだ』つまり、自分と他者の違いに気づいていく。発達を遡ると、胎児のときは母子一体(本当は別人格だけど体内に同居しているため同一化してしまう)、赤ちゃんの頃は、赤ちゃんにとって『ママとわたしは同じ』(母子一体型)(専門用語まちがっていたらすみません)赤ちゃんが泣いたら、基本的に養育者は、抱っこ・おっぱい・ミルク・オムツ交換などのお世話をしてくれて、赤ちゃんの欲求を満たしてくれる存在。『自分を全て受け入れてくれる人』
赤ちゃんの頃はそれでいい。赤ちゃんだから。大人としては子どもの欲求をただただ受け入れるのみ。
ただ、成長し、言葉も話せ会話ができるようになると、子どもの欲求と大人の欲求とが異なってくる。
わかりやすい例として、
◯卒乳(昔は断乳)
◯トイレトレーニング (昔はオムツはずし)とイヤイヤ
◯卒乳
→赤ちゃんは安心のためにおっぱいに執着するけど、大人はおっぱいを止めたい時期。子どもと大人の異なりのスタートラインで、『第一次発達課題』
↓
◯トイレトレーニングとイヤイヤ
→慣れたオムツを卒業して、パンツをはき、トイレで排泄する。
子ども…慣れたオムツで排泄したい
大人…トイレで排泄してほしい
『第二次発達課題』
第一次発達課題をクリアーした後に、第二次発達課題へと進み、第二次発達課題がクリアーしたら、また、次…と、人は死ぬまで発達課題の連続、という『エリクソン』の学説です。
分厚い本なので、一見ハードルが高そうですが…内容は、難しい専門用語はいっさい使われておらず、一般向けに書かれた良書です。
読むと、筆者の『子どもへのやさしいまなざし』を感じられると思います。
お子さんの発達に悩む保護者・養育者の方へ特におすすめです。
参考までに、先程の問に対するわたしの解答を書いておきますが、答えは一つじゃないとおもいます。
↓
問『その人に合った環境と理解がなかった場合どうなっていくか?』
解『自己を理解される経験がないと、他者を理解できないため、人間不信に陥り、その結果、二次障害、適応障害が発生する』例として、自傷他障行為、アルコール依存症や鬱病などの精神疾患、犯罪行動、ひきこもり…など。
幼い頃からの『理解と環境』がどれほど大切なことか、わかる事例です。
本書の内容で印象的だった内容を紹介しますが、わたくしの要約のため、本文とは異なります、ご了承ください。
↓
『人を一本の樹に例えると、大人は枝葉。大学高校中学小学生は幹。幼年期は双葉。赤ちゃん期は根っこのようなもので、根っこがしっかりと張っていなければ、幹や枝葉を伸ばせない…大人になってからのやり直しは可能だが、相当時間と根気を要する…』
以上、わたくし一介の保育士で研究者でもなく、博士号も持たず、ただただ目の前の子どもと保護者支援に携わる者です。そのため、専門用語など間違っているかもしれないので、詳しくは、本書『子どもへのまなざし』を読んでみてください。わたくしの解説より100倍✨ためになります✨
長くなりました…最後まで読んでいただきありがとうございました🙇
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