土木施工での3次元あれこれ
はじめに
昨今の土木工事においてICTの波は確実進んでいます。
BIM/CIM、i-Constructionと呼ばれる建設業的な物から、仕事全体におけるDX化など情報化は勢いを増すばかりだと感じます。
ただ現実としてどこまで自分の所でできるのか、導入してどれだけの効果を見込めるのか、使いこなせるのかなど金銭的、人的リソースで劣る個人零細中小企業はなかなか推進しづらいところです。
本来ならこういうのってリソースが少ないところにこそ進めたいところですが、上記の問題もあり難しいところですよね。
大手は専門部署を立ち上げるくらいするので、やはり力はパワー。
そんな中で私も波に乗り遅れないようにいろいろ進めているところですが、実際のところは現場に落としきるまで時間がかかって大変です。
そこで備忘録的に経験したことや思ったことを書いてみました。
土木施工における3次元
土木施工の段階において3次元というとざっくり2つで
現況の3次元化
設計の3次元化
になります。
ここでは土木施工のレベルの話なので、設計レベルではまた話が変わります。
現況の3次元化
「リアルをモデル化するぜ!」ってな感じで、スキャナとか写真とか使って地形とか建物とかをデジタルモデル化することです。
設計の3次元化
「平面なんかよりも立体で設計データがあった方がいろいろはかどるよね!」という感じで、2次元図面をずずいっとZ軸な立体にしたもの。
導入するなら
施工業者が両方一挙に導入してももちろんいいけど、コスパ的には設計の3次元化を進めた方がそれこそいろいろはかどります。
設計というか図面でしょうか。
図面というのはそれこそ最初から最後まで使うものですし、土木施工の起工から完成までのフローの中で3次元化することで使える部分は多いです。
測量、施工、出来形まで使えます。
ですので、やはり最初は設計側で3次元化することをお勧めします。
現況に関しては、施工時にはほとんど用事がないので後回しでいいかと。
それに土木で使おうとすると、機材は結構いいお値段しますしね。
問題点
現況、設計でも主に2つの問題点がありまして、
費用
技術
既存施工との壁
になります。
費用
この手のを導入するのはそれなりにコストがかかります。
スキャナはまだまだ気軽に買える金額ではないですし、ドローンはほかに比べれば安いですが、そこから得られるモデルはいろいろ問題はあります。
その点ソフトウエアはまぁまぁの値段ですので導入はしやすい方でしょう。
ただし、これらを生かすにも対応しているトータルステーションなりのなにかは必要になるので、やっぱりこのハードルは低くはないです。
技術
データを外部に委託するなら半分以上の技術負担軽減になりますが、実施工においてはやっぱり自分たちでなんとかしないとダメです。
測量時でもマシンコントロール/ガイダンスでするにしても、最初のハードルは結構大変に感じます。
既存施工との壁
言ってしまえば新技術を使わなくても既存の技術で施工はできるし完成もできる。
これはすごく大切なことだけど、新技術への大きな壁であるのは確か。
やっぱりやり慣れているものって楽でそれでしようとするんですよね。
確かにいい意味で枯れた技術はそれに至るまでにブラッシュアップされて洗練されているものですし、それを使えばできるというのは何物にも代えがたい強みです。
だからって新しい技術を拒否するのは別の話なんですが、現場レベルでは結構拒否されます。
いや、わかるんですよ。実際に施工進めている中で実際にどうだかも分からないものをやってる暇なんぞないわ!的になるのもわかる。
そんとこういうのってある意味ベテランであるほどありますよね。
まとめ
導入にコストかかるとか技術を覚えるのがうんぬんかんぬんとかありますが、導入はした方が良いと思います。
進めるにあたっても低コストの所からしていけば、現場レベルでの拒否反応も軽減されるかもしれないし、自家施工をしたいなら大変だろうが経験の積み重ねは必ず必要になるので少しづつでも進めていきましょう。