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距離を置くしかなかったママ友の話③



年を重ねるほどに、いろんな人に会い、いろんな場所に行くたびに思う。

世の中は広い。

世の中には、想像しているよりもずっとずっと、多様な人がいる。

私にも、ある程度世の中わかったような気でいた時期があった。でもそんなのはただ、何も知らなかっただけであったこと、今なら知っている。今は、私には死ぬまで知りえないほどにいろんな世界があるということを、私は知っている。


ごく普通の、自分と似たような環境で暮らしていると思っていた人が、映画の題材になったような環境で育っていたことを知ったこともあった。彼女にとってはそれが『普通』で、その『普通』は私のそれとは違っていて、世の中の広さにはいまだにいちいち驚く。


しかし、誰かに対して意識して『距離を置こう』と思ったことは、あまりない。無意識に連絡が途切れて疎遠になることはよくあるが、自分からあえて疎遠にすることはこれまであまりなかった。

でもやっぱり、そうせざるを得なかった。


私の『普通』からはかけ離れている話をいろいろ聞かされて、そのたびに驚いていたが、それだけなら別に良かったのだが。

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