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よしもとばなな、『ふなふな船橋』をよみながら。

テレビやネットのニュースをみると、なんだか気分が重くなったり、悲しい気分になる事が多い。

けれども、周りを見渡せば、これだけ沢山の娯楽に囲まれて、ご飯も食べたい時に食べられる生活を歩んでいる。

ぐるぐるといろんな事を考えてみてると、無いものよりあるものが多いことに気付かされる。

先日、よしもとばななさんの、『ふなふな船橋』を読んだ。

ふだん、まがいなりにも、ビジネスの世界で働いていると、「小説なんて読んでいる暇はない」という人に出会うんだけれど、やっぱり小説の世界でしか感じられないことはある。(小説の中に描かれる物語の力を信じたい)

これまでの私の人生の、いや、もしかしたらこれからもそうかもしれないいちばんの名場面は、二度と帰ってこない美しい瞬間は、それだった。  どんな街にもそれぞれの人々のこんな物語がたくさんひそんでいる。  毎日毎日、人は恐ろしい量の感情を街の中にぶちまけている。それをそっと吸い込んで、 咀嚼 して、きれいなものにならして、きらきらと輝きながら街は呼吸している。
よしもとばなな 『ふなふな船橋』

自分が頭にもやもやと描いていた感情や気持ちが、小説の中で見事に言語化されている。

こんかいの『ふなふな船橋』を読んだ時に、引用した文章を読んで、思わずハッとしたのでした。

小説を読んでいると、自分が歩まなかった生き方を追体験することができる。

それは、想像力を広げることにもつながる。

想像力があれば、他者の気持ちを考えることができる。

考えることができれば、できることがわかる。できることがわかれば、行動できる。

そんなふうに考えると、小説を読むことは、大切なことのように思うのだ。

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