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「エスカレーション」=「ソリューション」?(腹を括ってやることもある、という話。)
エスカレーション、マネジメントという考え方
ヨーロッパで働いていた時に、よく「これ以上進まないのであれば、マネジメントにエスカレーションさせてもらう。」という言葉を聞いた。
実際に自分も案件がなかなか進まない時に、エスカレーションされた経験もある。
確かに、マネジメントというのは、物事が進まない時に、「マネジする。=なんとかする。」事が仕事の一つなのかもしれない。
けれども、車の免許を持たない人が、タクシードライバーになれないように、上司もその仕事をするための基礎知識がない場合も多い。
そういう時に、何度も経験したことは、実務部隊に対して、「なんとかしろ!」と指示を出すマネジメントが登場すること。
本当にサボっていて進んでいない場合もあるが、多くの場合はきちんとやっているが、社内のプロセスで滞っている場合も多い。結局解決するには、「いつもの人がいつも以上にがんばる」なんてことが殆どだったりもする。
腹を括る人
エスカレーションされた課題を解決する為には、3つの方法があると思う。
①上司が腹を括る
世の中には責任感が強く、行動する上司がいる。そういう上司は、自ら腹をくくり、関連部門と調整をしてくれる。この場合は、自分は自分に関連する課題だけやってればよい。ただ、このパターンというのは、なかなか無い。
②じぶんが腹を括る
これは、①で上司がやったことをじぶんでやるということ。具体的には、じぶんの役職など気にせず、キーパーソンをとにかく口説く。口説いてとにかく物事を進める。多くの場合、関連部門は催促されるのが嫌なので、結構反対意見を受ける。それでも、「結果=課題を解決すること」に集中して、逃げない。逃げずに立ち向かうことを続けていると、大体の場合何かしらの結果を出せる。
③天に任せる。
何もやらないこと。じぶんごとだと思わずに、とにかく周りの人の粗探しをして、天に任せる。簡単な解決策のように見えるが、最終的には自分の首を締める。なぜなら、問題自体はそこに変わらずあり、その問題が頭の中のもやもやを維持するからだ。
開き直って気にしないという事ができればいいだろうが、実際はなかなか難しい。なので、個人的には2番を勧める。
マネジメントとは、問題を事前に防ぐこと
火事になったら、大変だ。なぜなら燃えている現場に、消防車を呼んで、周りの人たちに助けを求めて、焼けた家の処理までしなければならない。下手したら周辺の人たちにも相当の被害を与えているかもしれない。
エスカレーションされた課題は、マネジメントの仕事か?ぼくはそこまでの状態にしない事が、マネジメントの大切な仕事だと思う。
常に家の中は綺麗であり、火の元は閉まってることを確認しておく。火が出たとしても、消化器を用意しておいて、大火事になるまでに、じぶんたちで火を消しておく。
そうすれば、「エスカレーション=大火事」になることは、なかなか無い。
「エスカレーション」は、簡単そうにみえる。「エスカレーション!!」と相手に伝えれば、全てが解決されるように見える。
でも「エスカレーション」は「魔法の杖」ではない。結局のところ、じぶんごとだと思い、解決に向けて諦めないこと。月並みの言い方になるけれど、「エスカレーション」されたら、やることはこれだけだとおもう。
個人的には、「エスカレーション」されたら、マネジメントは、「じぶんで腹を括って取り組む」か「頼める部下に腹を括ってもらう」の二択を決める事が役割だと思う。ただ、そもそも大火事にならないように「なんとかしておく」ことが、もっと大切な「マネジメントな役割」だと思う。
友人の上司はいつも部下に対して、「何かあったら、じぶんか社長だと思って行動してくれ。誰かが助けることを期待しないでくれ。」と言っていたそう。
無責任のような言葉にも見えるが、上司は全てを部下の代わりにすることができないし、最後はお願いするしかない。
ちなみにぼくの友人はこの上司のもとでかなりの経験を積み、今は別の会社で活躍してくれる。彼曰くこの上司は、「任せるが、何かあったら全力で責任を取ってくれる」ということ。
他人行儀なひとかと思えば、とても義理堅いひとだった。これからも、じぶんごとだと捉えて、物事を解決し、他の人に何かを与える人として生きていきたいものです。
おまけ
そうは言ったものの、エスカレーションしてきた相手がとても理不尽な場合もある。
理不尽な要求を受けないためにも、ぼくらは「選択肢」を増やして交渉できる準備をしておきたいものです。