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まるごとたべる、川魚。(頭から尻尾まで)
普段食べているものは、すでに調理されているものであふれている。
じぶんが料理したつもりでいても、
鶏を庭から取ってきて捌くわけでもなく、
魚を釣って捌くわけでもなく、
畑に行って野菜を育て収穫するわけでもない。
便利な世の中のおかげで、私たちの生活はずいぶんと見えない世界が広がっているように思う。
食べ物もタンパク質とか栄養素の話ばかりが先行して、サプリだとか健康食品ばかりに興味が行きがちで、どんどん食べ物が生まれてくる場所からは、遠いところにいる。
先日旅した温泉旅館では、川魚のあゆを出していただいた。
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お恥ずかしいのですが、どうやって食べるのかわからなかったので、お伺いすると、まるごと食べれますよ、と教えてもらった。
普段食べている鯖の味噌煮は、コンビニで調理されたものだったり、スーパーのお刺身だってすでに調理されたものを買っているので、丸ごと食べる機会っていうのは、日常にないのだと思った。
頭から尻尾まで
よく噛みながらたべたあゆは、お腹と心に染み渡る美味しさだった。そして、いのちをいただいているのだなぁとしみじみ感じるのであった。
ネットでなんでも買えて、答えのようなものが手に入るよのなかでは、そんなふうに思うことも、ずいぶんと少ないかも知れません。