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【毎日漢字1文字ブログ (4)】 徹
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本編
「徹する」ことや、一つのことを継続し続けることが苦手で、
周りに流されつつ、現状維持に甘んじがちでお馴染みの僕だが、
「徹する」というのは、実は意識してやるものではないのかもしれない、
と最近思い始めた。
毎年、高校の同期と共に新年打ち始めゴルフ大会を実施している。
そして2025年の新年打ち始めゴルフ大会も、昨日実施された。
僕は高校時代男子校のテニス部だったのだが、
●年ほど経過したら、いつの間にかテニスラケットはゴルフクラブに変わり、
動くボールを打ち返す競技から、
止まっているボールをただ打ち飛ばす競技へと変わっていた。
僕も社会人1年目から会社の付き合いでゴルフをするようになったが、
言ってしまえばそれ以上でもそれ以下でもなく、
本当に呼ばれたら行く程度だった。
ただ、僕がラウンドを回っている、
ゴルフができる人材であるという噂が社内外で広まってしまい、
思っている以上に誘われてしまったのだ。
とは言っても、スコアはあまり上がらず、
いつまでも自分にへばりついた初心者マークを剥がす勇気を持てなかった🔰
ドライバーなんて飛ばしようもんなら、
僕はなぜかおむすびころりんのごとく転がっていくのに対して、
上手い人は放物線を描くように綺麗に飛び、見事ゴール前まで着地してしまう。
アイアンに至っても、僕は当てるので精一杯である。
こういうのもやはり
「経験があるから」「元々スポーツの素質あるやん」と、
相手の性能に全振りして考えてしまうのが良くないところである。
一方で、誘われた以上は子犬が尻尾を大きく振るかの如く、
喜んでしまうのが、独身一般社会人男性としての性でもある。
どんなにゴルフができなくても、2つ返事で参加を決めるも、
ただ直前になってスコアや自分の技術的なところを気にし始めてしまうのもまた
いつものことである。
「流石に練習しないで行くのは失礼だし後ろのお客様にも迷惑かかりそうだよなあ」と思い、やっと1週間ほど前に重い腰を上げ、
「逃げちゃダメだ」と自分に言い聞かせながら、
練習に半分嫌々行くようなものであった。
ただ、やはり思っていた以上に誘われるし、
思っていた以上に自分のスコアは伸びない。
やってもやっても経過時間に比例して上手くならないのは、
高校の時のテニスと全く同じである。
ゴルフをしているときは
「早く終わってさっさと風呂入りたい」
としか思っていないし、
風呂から出たときは「もう2度といくもんか」と思うんだけど、
結局また誘われたら行ってしまう。
言っていることは二郎系ラーメンを食べた後とそこまで変わらない。
本当であれば、昨日のゴルフはかれこれ●年の男だけの
緊張感も焦りも不安もまるでない、そんな空間だった、はずだった。
前日に突然、参加者のうち2名の彼女がメンバーとして追加されることとなる。
男しかいない空間がどんなにぬるま湯で、穏便な雰囲気があったとしても
女子が1人でも入ることで、その空間は戦場と化す。
例えそれが、彼氏がいるとしても、だ。
同世代の女子とのゴルフほど、怖いものはない。
立ち回りが、限りなく難しくなるからだ。
相手が上級者の場合は「女子に負けているのか・・・!」と
気色の悪いプライドが傷ついてしまわないように、
ミスショットを限りなく減らさなければならい。
相手が初心者の場合は、上記もありつつも、
「ゴルフって楽しい・・・!」と思ってもらえるよう、
プライドを捨ててでも多少手加減をしなければならない。
上手い人はその両方の立ち回りのうち
どちらかを器用に進めることができるのだが、
私はそんなことができるほど上手くはない。
最終的には、「女子よりは上手いのだが男子よりは上手くない」という
バラエティとして0点の結果を叩き出してしまった。
そのときやっと僕は重い腰を上げて
強い決意をしたのだ。
そうだ、スクールに通おう。
この可もなく不可もない。
向上する気配も意識もない、安定だけを追い求めた生活をし続けるのもまた
「徹する」ということなのだろう。
どんなに苦手なことでも、誘われたら喜んで足を運ぶ自分のスタンスもまた
「徹する」ということなのだろう。
昨日ゴルフ場で見た人も、
今渋谷のTSUTAYAで何かしらの作業をしている同志たちも、
誰もが自分というキャラクターに意図せず「徹してしまっている」。
この「徹する」キャラクターを好きこのんで変える人なんていない。
「徹すること」の中身を否定できる状況にならなければ。
そして、「徹すること」の中身を否定できる人間、もとい
初めから「徹すること」の中身を否定することを「徹底」できる人間は
そうそういない。
だから、「徹する」というのは、実は意識してやるものではなく、
環境がそうさせるのかもしれない。
でも環境をどう受け取り、どう向き合うかは
自分にかかっている。
ゴルフのスコアは、136だった。
歴代では2番目に良い成績だった。
お陰で僕のゴルフのアベレージスコアは
胸を張って「140くらいかな」と言えるような気がする。
でも、女子たちはラウンドが初めてだったにも関わらず、
140~150前後だった。
「初心者」という言葉に甘んじていた僕も、
うかうかしていられなくなった。
いつまでも歓迎された気分でいたのに、新入社員気分でいるのに
気づいたら後輩が入ってくるような感じである。
そんな現実に目を向けるのが面倒臭い気持ちを押し殺しながら、
今日もまた文章を書き、
そしてカタクチイワシを買うのを忘れていたことを思い出す。