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レイチェル・ポラックとスート

レイチェル・ポラック(Rachel Pollack)は、タロットの専門家であり、特にスート(Wands、Cups、Swords、Pentacles)の解釈に深い洞察を持つ作家でもあります。彼女のアプローチは、タロットカードを単なる占いの道具としてだけでなく、自己認識や心理的、霊的な成長を促進するためのツールとして捉える点が特徴的です。

ポラックのタロットに対する解釈は、カードの象徴的な意味を深く掘り下げ、スートそれぞれのエネルギーを現代的かつ実践的な視点で捉えることに重点を置いています。ポラックのスートに関する考え方を簡潔にまとめてみます。

1. Wands(ワンド)

ポラックはワンドを「意志」「行動」「創造性」「情熱」などのエネルギーと関連づけて解釈します。ワンドのスートは、外的な世界に対するアクションを表し、個人の情熱や目標に向かって前進する力を象徴します。彼女はこのスートを、創造的な表現や自己実現を追求するためのエネルギーの流れとして捉えており、特に「発展」「成長」「冒険」などのテーマが強調されます。

2. Cups(カップ)

カップは「感情」「関係」「愛」「直感」を象徴するスートです。ポラックはカップを感情の流れとして捉え、人間関係や内面的な世界の深さ、感受性に注目します。彼女はカップのスートが、自己の感情的な状態や他者とのつながりに関する問いを投げかけるものであり、その解釈を通じて自己理解を深める手助けになると考えています。

3. Swords(ソード)

ソードは「思考」「知性」「論理」「葛藤」を象徴するスートです。ポラックにとって、ソードは精神的な活動、知識の追求、そして理性によって問題を解決しようとする姿勢を表します。しかし同時に、ソードは心の中の葛藤や対立も反映し、思考の過程で生じるストレスや障害を示すこともあります。ポラックは、ソードが示す理性と感情、知性と直感のバランスの重要性を強調します。

4. Pentacles(ペンタクル)

ペンタクルは「物質的な現実」「仕事」「金銭」「健康」「成長」の象徴です。ポラックはこのスートを、物理的世界での成功や達成感、具体的な行動に基づく成果を表すものとしています。彼女にとって、ペンタクルのカードは現実的な努力とその結果として得られる安定や安全を反映し、自己実現や豊かさを追求する過程における実践的な側面を強調しています。

ポラックのスート解釈の特徴

ポラックのスートの解釈においては、単なる象徴的な意味にとどまらず、各スートが個人の成長や人生の旅路の中でどのように機能するかに焦点を当てています。彼女は、各スートが内面的・外面的なバランスを取るための道具として機能し、それぞれが持つエネルギーをどのように活用するかによって、人生のさまざまな側面に光を当てることができると考えています。

ポラックのアプローチでは、カードの解釈が深く、精神的な成長や内的な探求に重点が置かれているため、タロットを使うことで自己の内面と向き合い、人生の方向性を見出す手助けとなります。

ワンド:火

男性的エネルギーー行動、楽観主義、性的欲求、冒険、力強さ、競争

カップ:水

女性的エネルギーー感情、愛、人間関係、想像力、幸福、悲しみ、家族

ソード:風

知性、知的活動、葛藤、勇敢さ、悲嘆、公正と不正

ペンタクル:地

肉体、自然、仕事、お金、所有物、安心/安全


この性質は、単独で存在するのではなく、互いに組み合わさったり、対立したり、交わったりしながら共存しています。

例えば、ワンドとカップは、一般的にポジティブで楽観的なエネルギーを持っています。一方で、ソードとペンタクルは、より困難や暗い面を反映することが多い傾向があります。さらに、ワンドとペンタクルは行動や仕事、外的な現実の側面に関わり、カップとソードは感情や思考という目に見えない内面的な側面に焦点を当てています。

これらのエレメントはそれぞれ異なる特性を持ちながらも、リーディングの中でどのように絡み合い、対話をするのかを見ることで、カードがより深い意味を持つことになります。




知れば知るほど深いタロット。
様々なタロティストの考え方、捉え方、視点をみてみるのも面白いです。

参照:レイチェル・ポラック作「タロットバイブル」

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