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第13話:あなたの年金額はいくらか?不安なら将来の予定額を直視する重要性について

こんにちは、兼業投資家ヒロッキーです。
前回は、2回連続記事でFIREを哲学してみました。

数日で500名以上の方が閲覧したほか、マガジン追加や多数のフォローを頂くきっかけになり、大変に感謝です。ありがとうございました。

今回は、誰もが1度は不安や疑問を持った事があるのではないか、と思える年金について言及していきます。

もう過去の話にはなりますが、一時期「このままでは年金制度は崩壊する」などというデマが横行しました。

年金制度に無理解な政治家などが選挙目当てで国民を焚きつけていた側面もあったので困ったものでしたが、今も払い続けながら年金に対して漠然と不安を持っている人はいるようなので、一度この点について整理していきます。

また、年金は、FIREする上でも、最低限60歳までは支払わないといけない支出としてカウントしておかないといけないものであり、60歳以上からはFIREを支えてくれる副収入にもなるので、その金額がいくら位になるのかはシミュレーションしておく必要があります。

こういう意味もあるので、一度自分がこのままのレベルを維持すると、将来的にいくら位になるかを確かめていきましょう。


まず年金制度は崩壊しない

結論からいいますと、
よほど意図的に破壊しようとしない限り、年金制度は崩壊しません。

なぜなら、崩壊しそうになる予想が付いた時点で、手を打って微調整を図れば制度を維持することが容易だからです。

具体的には、平均寿命を考慮して受給開始年齢を徐々に後ろにずらすか、支給額を徐々に減らすようにすればよいだけの話しだからです。

また、長年全国民に約束し、強制的に支払わせていた制度を崩壊させてしまっては、国家的な信用問題でもあり、そのようなカオスな状態を作り出すことは、政治家も官僚も、国民も誰1人として望まない事態です。

なので、引き続き年金に関しては、現行制度に不満があろうとなかろうと、あなたは、社会的なセイフティーネットに対する貢献活動だと思って、払い続けていくものになります。

この点について、大変明快でわかりやすい説明をしているのが、元大蔵・財務官僚の高橋洋一氏です。

この動画を観るだけで、本質的な仕組みがわかってしまうので、必見です。

この動画で年金制度の大枠の仕組みは理解出来たと思います。

自分の年金をシミュレーションする

では、次にあなたの年金はいくらになるのかを見ていきましょう。
「ねんきん定期便」のハガキが来るようになっているので、まずはそれをチェックしましょう。

ハガキの表記は、現在50歳未満の方は下記のようなフォーマットになっているはずです。

ねんきん定期便のハガキの見方https://www.nenkin.go.jp/service/nenkinkiroku/torikumi/teikibin/teikibin.files/04.pdf

詳細は、リンク先を観ていただくとして、ここでは、あなたが今現在の加入実績でどのくらいもらえるのかを確認する箇所だけを解説します。

一番見るところは、「j」項目の「これまでの加入実績に応じた年金額(年額)です。

これがあなたが現在まで加入し実績として積み上げてきた金額で、年額としてもらえる金額がいくらになっているかが書かれた箇所になります。

年齢が若ければ若いほど、ここの金額は少ないため、逆に不安になる人もいるかもしれません。

ですが、これはあくまでもここまで払ってきた加入額でもらえる額を表示しているだけなので、あまり意味がありません。

私たちが知りたいのは、60歳か65歳、もしくは75歳の時に月額でいくらもらえるかです。

このため、ここでシミュレーションの必要性が出てきます。
シミュレーションは、日本年金機構の「ねんきんネット」を使うとよいです。

「ねんきんネット」でシミュレーションする

まずは日本年金機構の「ねんきんネット」のサイトにいき、
マイナンバーカードを持っている人ならカードリーダーを読み込ませることで、より正確なシミュレーションができるようになります。(スマホでも可能)
https://www3.idpass-net.nenkin.go.jp/neko/Z06/W_Z0602SCR.do

メニューの「将来の年金額を試算する」から進みます。

最初は手っ取り早く「かんたん試算」でやってみるとよいでしょう。

これまでどのくらい支払ってきて、このままいくと自分が65歳でどのくらいもらえるのかが如実に表われる金額ですが、このシミュレーションで月額で表示されるので、よりリアルに把握出来るようになります。

まずはこの現実を直視することが重要です。
もしこの金額しか65歳以降はもらえないのであれば、あなたは今から何をしていくべきでしょうか?

どのくらいの貯金があるようにするべきでしょうか?
家計の支出管理でどのくらい節約できるでしょうか?

そして、NISA活用でどのくらい増やせば安心か?
DCやiDeCoも必要か?DBにするか?
いろいろ考えることが出てきます。


そして、給料を増やせるように昇級か、転職か、それとも副業か、どこかの時点で起業か、今から何をしていくべきか、「終わり」をシミュレーションすることで見えてくるものがあります。

そして、自衛手段の1つとしてFIREやFINR(経済的自立はして、Not Retired=仕事は続ける)を目指すことも視野に入れておきたいところです。

また、一番の保険は、何歳になろうとも自分発でお金をいつでも生み出せる自分資本(知識や経験、技術やスキル、実績)の確立でしょう。

年金制度は、保険的な社会的セイフティーネットであることも知っておく 

一般に「年金」というと65歳以上になってから支給されるようになる制度のように言われていますが、年金にはこの機能の他にもう2つ大事な機能があります。

それは、障害年金遺族年金という社会保険的な側面です。

障害年金

障害年金とは、もしあなたが加入中に病気やケガなどで、一定の障害を負ってしまった場合に支給されるようになる年金です。

何かの自己や病気等により障害を負ってしまった場合などに支給される社会的なセイフティーネットなので、こういうバックアップが存在することで、もしあなたに何かがあって働くのが困難(=収入が途絶えること)になっても、公的にサポートされるようになっています。

厚生労働省HP: ttps://www.nenkin.go.jp/service/jukyu/shougainenkin/jukyu-yoken/20150401-01.html

ただ、障害年金の額は、障害の級数によりますが、年81万~102万円程度なので、ここも預貯金がある程度ないと実家や家族の助けは必要になる可能性が高いです。

もし復帰が見込める場合は、障害年金ではなく傷病手当(最長1年6ヶ月)をもらうことで、当面の生活費をカバーする方法になります。
https://www.kyoukaikenpo.or.jp/g3/sb3040/r139/

遺族年金

また、遺族年金とは、もし被保険者であるあなたが、死亡した場合に遺族に支払われる年金になります。(支給要件有り)

この2つは、いわば保険金の支給のようなもので、ちゃんと加入者が月々の年金を支払っていれば、年齢に関係なく支給対象となる社会的セイフティーネットです。

厚生労働省HP: https://www.nenkin.go.jp/service/jukyu/izokunenkin/jukyu-yoken/20150401-03.html

これらの2つの機能があるだけでも、民間の高額な生命保険のほとんどは不要とも言えます。

もし民間の保険を考える場合は、今現在の預貯金の額と、この2つの社会的なサポートの金額がどのくらいになるのかを把握した上で、考えましょう。

そして、子供が生まれて独り立ちするまでは、収入の担い手となる人には掛け捨ての生命保険1000円(/月)前後を掛けた方がよいかどうかも検討してみましょう。

遺族年金のシミュレーションは、ここがシンプルで計算しやすいです。
https://keisan.casio.jp/exec/system/1323828075

若干縁起でもない話ではありますが、人生は何があるかわからない旅です。

最高のケースと最悪のケース、現状維持のケースの3パターンは、人生でもビジネスでも想定しておくのが、もしもの時に動じない境涯でいられるようになります。

政府が考えている方向性も把握しておく

上記で一応個人としてのシミュレーション部分は完了ですが、ちょっと上級編として、今後の年金制度が全体的にどうなるかは、5年ごとにチェックしておくとよいでしょう。

なぜ「5年ごと」かというと厚生労働省が5年ごと出している「令和6(2024)年財政検証結果の概要」が今後の年金制度についての検証になっているからです。

これによると現在は、所得代替率(年金額がその時の現役世代の所得の何%になるか表したもの)61.2%になっていますが、やはり徐々に所得代替率は、下がっていく見通しに有り、悪いシナリオだと50%台になる可能性も秘めていることがわかります。(「令和6(2024)年財政検証結果の概要」のp3)

また、一番下の最悪のケースだと「所得代替率37%~33%程度」ともあるので、このケースも加味しておく必要はあります。

だから新NISA制度が、異例の大盤振る舞いをしているというのも、これで頷けるでしょう。

いずれにしても、
年金には期待をしてはいけないということ、
ますます資産運用スキルは必要であること

は、この資料からも明らかです。

特にあなたが、20~30代と若ければ若いほど、これらのことは心得ておく必要がありそうです。


FIREを達成した後の年金の支払いをどうするか?

あとは、60歳になるまで年金積み立ては毎月の避けられない支出になることも計算にいれておく必要があります。

もし加入期間が10年未満であれば、年金の支給をもらえる資格がまだないので、メリット・デメリットをよくよく検討する必要はありますが、いっそのこと海外移住という選択肢もあります。

住みたいかどうかは別として、ドバイやシンガポール、台湾は、税金に関してはとても寛大で検討に値します。

ただ、税金が安いということは、その分福祉面などには日本ほど期待できない面や、英語や中国語などの言語習得が余り得意ではない人には向いていないかもしれません。

また、子供に日本の文化を教えることも難しくなるため、よくよくどうするかは、家族とともに下調べ&相談&シミュレーションする必要があります。

また、税金面・経済面だけではなく、フィンランド、デンマーク、スウェーデン、アイスランドなどの国民の幸福度が高い国に移住を考えるというのも1つの選択肢です。

ただ、これは個人レベルでは最適解なのかもしれませんが、自分が生まれ育った日本国に対しての貢献という意味では、全体最適にはならないので、悩ましい選択肢です。

ここら辺のトピックは、FIRE後のことなので、深くは入りませんが、もし資産ポートフォリオの中に年金が将来的に入らなくても良い場合は、思い切って取れる選択肢として、海外移住もあってよいでしょう。

最後になりますが、厚生労働省が年金制度をわかりやすいマンガとしても説明をしていました。これもとても参考になるものなので、目を通しておくとよいと思います。


以上が今回の内容となりますが、いかがでしたでしょうか?
自分の想定年金額をシミュレーションしてみることで、漠然とした不安から、リアルの危機感、もしくは安心感に変換できたと思います。

また、今から何をすればよいのか。このままで良いのか悪いのか。
なぜFIREも選択肢の1つとして入れておいた方がよいのか。
など、これからのアクションにも弾みがつけば書いた甲斐があります。

今回の内容が参考になれば幸いです。
それでは今日もよい1日を!


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一従業員から大和的投資家・旅行家への道~兼業投資家ヒロッキーの人生戦記&遺言書&留魂録
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