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“向ふの縮れた亜鉛の雲へ”の風景

朝、ゴミを出しに行くと
雪雲が空を埋めていた。
雪雲は、雨雲よりもずっと明度の低い灰色で、重たそうで、我々を押しつぶそうとするような、なんとなく陰気な感じがする。

ふと“向ふの縮れた亜鉛の雲へ”という一節が浮かんだ。
それは、宮沢賢治の『屈折率』という詩の中にある。

詩歌の鑑賞はよくわからないし、読むこともほとんどないのだが
詩を口ずさむことができると、空を見上げて「きれいだな」「雪が降りそうだな」というだけでなく、
気にもとめないなんべんもくりかえし見る風景に詩という新たな要素を与えることができ、
そうすることによって目の前の景色だけではないものも一緒に見ることができるような気がして、それはとてもステキなことなんじゃないかと思った。

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くつしたや a.k.a. 仮庵
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