大人になって何思ふ【映画編3】
大人になって何思ふ【映画編2】を書いたテンションが冷めやらずそのままその3を書かせていただきます。ルパン愛に溢れている私です。
ここではメインキャラクターの声優が一層されたあの名作にフォーカスを当てたいと思います。
映画ルパン三世 風魔一族の陰謀
劇場映画第4作にあたるこの作品は、メインキャラクターの声優がすべて変更された印象が強く残るものになったと思います。
Wikipediaを見ると分かりますが、声優変更にはおもにコスト削減が1番の要因だったのではないかと思います。しかし山田康夫ルパンの印象が強かった当時ではこの変更がファンには受け入れられず結果この作品のみのものとなって終わった認識です。
ルパン三世 - 山田康夫→古川登志夫
石川五ェ門 - 井上真樹夫→塩沢兼人
次元大介 - 小林清志→銀河万丈
峰不二子 - 増山江威子→小山茉美
銭形警部 - 納谷悟朗→加藤精三
コスト削減と言いますが………名声優ばかりがキャスティングされています!!
ファンの間では酷評目立つ作品ですがこのクォリティの高さは言わずもがなではないでしょうか。
今回は声優にフォーカスして書きたいと思います。
はい、ただのヲタク論です(笑)
古川登志夫さんが演じるルパン三世
古川さんが起用された理由は多々あると思いますが、有力な理由として挙げられるのは、先輩として慕う山田康夫さんのモノマネをしたところそれが似ていると反響があったためだとされています。
ですが今作では、先輩に敬意を評して、モノマネではなく自身が思い描くルパン三世を演じていると言われています。
これがあってでしょう、この作品を見れば分かりますが、ルパン三世なんです。
古川登志夫が演じる、ルパン三世の世界に入り込んでしまうんです。
酷評が目立つくらいですから、1番批判が多かったのがここなのでしょう。
今までのルパン三世のイメージが強いのは分かります。
ルパンが山田康夫さん、というより、もう山田康夫さんがルパンだったんです。それはファンとしてすごく理解できますしその通りです。
ですが、このルパンもルパンだったのです。
ルパンのキャラクターをしっかり作り上げています。
個人的な意見ですが、このルパンはなんか若く感じました。20代前半の青二才がやっているような(笑) 素直で直球で体を張って挑むイメージがありました。
山田さんのルパンは大人で、警察や敵の裏をかいて巧妙な手口を繰り広げる、そしてエッチさも大人なエロを持つキャラクターだったように思えます。
それぞれに魅力があります。こう感じるのは、モノマネのルパンではなかったからだと思います。古川登志夫さんというプロが演じるからこそでしょう。
そして個人的に感じたこととしてもう1つ挙げます。
山田ルパンに対して古川ルパンはセリフが多く感じました。おしゃべりな印象です。そのぶん次元がさらに寡黙になってたように感じます(笑)
そのぶん軽薄さが目立った感じはありました。ところどころ諸星あたるにしか見えなかったですからね(笑)
幼い頃は、このルパンよく喋るな、と感じていました。いまでは、可愛い!と感じます。歳をとった証拠ですね(笑)
五右衛門の真っ直ぐな愛
今作を見れば分かりますが、五右衛門は妻に迎える紫のためにしか動いていません。囚われた紫を助けるため、紫の家の財宝を守るため、斬鉄剣を捨てて身を投げ出そうとするのも紫のため………。
もっと前提を言ってしまえば、紫と結婚して婿養子に入ろうとしていたところから物語は始まります。出会ったときは高校生だった紫に、初代・石川五右衛門の末裔なのに石川を捨てて結婚しようとする決意……どれだけ惚れ込んでいたのだと。
なのにラストは悲しい結果に終わります。
五右衛門らしいと言えば五右衛門らしいですが………。
ですがこの愛情の積み重ねから、描かれていないこの作品の未来に2人の幸せがあるような…そんな想像ができるいい流れだったのではないかと私は思っています。(だって従順に帰ってきそうなんだもん五右衛門…)
五右衛門の愛を感じる1番の理由は塩沢兼人さんの演技だったと思います。
言葉では言い表しにくいのですが………紫に対する態度が甘いんです。甘々なんです。すごく感じました。それは塩沢さんが持つ声・演技力だからこそあった甘さだったのではないかと思います。
次元がまぬけキャラ
ここは辛口に書かせてもらいます。
次元がすごくマヌケに描かれているのです。
戦略も行動もルパン任せ。まるでルパンの助手状態でした。
次元はルパンの片腕的存在じゃないと魅力がないのです……この作品では次元の良いところがまったく出ていませんでした。そこだけ残念です。
銀河万丈さんの声は次元のキャラに合っていたと思います。ナイスキャスティング!
とっつぁんの無謀さ
この映画の見せ場は銭形とのカーチェイスでしょう!
商店街だろうが温泉だろうが構わずぶっ壊して走ります。崖からも落ちるし屋根も走ります(笑) ルパンらしさが見えるシーンですし、スピード感も気持ちいいです!不二子ちゃんのバイクシーンが特に !!!
とっつぁんの「それ!突っ込めー!」も好きです(笑)
警官なのに容赦ない追いかけっぷり。
ドリフのコントか!ってくらい(笑)
そして超人的な身体力とパワー(笑)
老人をおぶってからくりの洞窟に入って行ってしまうところや、崩れ落ちてくる岩を支えたり落ちる橋を投げ縄で繫ぎ止めるシーンはまさにルパン映画!って感じです。
加藤精三さんの「ルパーン!」も最高です!
ぜひ見てみてください!
声優にフォーカスして書いてみましたが、作品自体のクォリティももちろん高いです。80年代のザ・日本のアニメといった感じでしょうか。(高橋留美子作品みたいな感じがある…笑)
JAZZと拳銃とタバコとバーボンなルパンではなく昭和感満載なルパンも違った魅力があっておすすめです!
この作品、残念ながら動画配信見つけられませんでした。
セルDVD、レンタルDVDはあるはずです。