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わたしたちが事実婚であるということ

最近巷でも注目を浴び始めているのに便乗するつもりもないですが、仲間内でもこんな話題が出始めたりもしたので、せっかくなので書いてみようと思います。

私達は結婚6年目を迎え猫2匹を育てる平々凡々な夫婦です。
極普通の二人は極普通の恋をし、極普通の結婚をしました。
でも、ただ一つ違っていたのは、、、二人は事実婚だったのです。
(このネタ分かる人が一体どれくらいいるのか…)

事実婚を選んだワケ

最初に結論みたいな感じですが、まあ、理由は簡単です。
私達に与えられた選択肢が事実婚しかなかったのです。

は?って感じですね。

もっとちゃんと言うと、お互いの譲れない条件が「苗字は変えられない」でした。ですがいまの日本の婚姻条件の1つに2人が同じ苗字を名乗ることが義務付けられています。

こう言うとなんと大層な家系の2人が結婚したのだろうと思われるんですが、なんともごく一般的な家庭の2人です。家系のこと家族のこと抜きにして一人の人間として2人が同じ思いを持って事実婚を選択しました。

名前が持つ大切なキモチ

私達と同じように苗字を変えたくない人って多くいると思います。男性女性問わず。

人それぞれ理由があると思います。夫も全く同じ意見を持っているわけではありません。ここでは私個人の考えだけ書いておきますね。

私のフルネームを漢字で知っている方は想像がしやすいですね、私の名前がなかなか複雑な字を書きます。私はこの名前がとても気に入っていますし、生まれてこの方ずっとこの姓名を名乗ってきていて、この名前の自分に誇りを持って生きてきたつもりです。

名前が変わることによってそこまでの人生がここから変わってしまうような気がしてしまいます。場合によっては今までのことが上書かれてしまうような気分になるのだろうと思っています。

そんなことないんです。そんなことないって頭では解っています。
ですが、人・物・事すべてに言えますが、名称ってすごく大切だと私は考えていて、名称が付いた途端に多少なりとも感情をも左右すると思っています。
(ゴキブリの名前が「ミニカブトムシ」になったらみんながキライな動物にならなかったんじゃないか・・・とか・・・なんか違うか?笑)

ましてや人の名前なので、自分を証明するすべての物がその名前に書き換わります。

世の既婚の皆さんはなぜそんなことをさくっとできるんだろう。
私にとってはとてつもない決断です。

それを乗り越えての夫婦でしょ!と思ったあなた・・・

そう思うなら、じゃあ、男性が苗字を変えてくださいよ。

こう言うと、大概の人がキョトンとします。
なぜ?と言わんばかりに。
なぜです?なぜ、男性に苗字を変えることを望むとそうなる風潮なのでしょう。これは日本の婚姻システムが生み出した古臭く悪い風潮だと思います。

結婚したら女性側が男性側の苗字を名乗るのが一般的

私は声を大にして言いたい。
皆さん、自分の名前を大切にしていただきたい。

苗字を同じにできないワケ

夫の理由はプライベートなので控えますね。
私はと言うと、上述の通り、「苗字を変える行為」自体に対して考えすぎるくらい考えてしまってます。なので相手に対してもそれを望んだりしません。もちろん男性側がOKしてくれるのであれば私と同じ苗字を名乗りましょう!と言いますが。

こんな2人なので、お互いがお互い違う苗字を名乗ることが私達夫婦にとってベストな婚姻の形なのです。

入籍のカタチ

私達は夫婦別姓であったりミドルネームを強く望んでいます。
ですが結婚6年目にして未だにその制度は一歩も進展がありません。

夫婦別姓についての世論調査なんてものを調べると分かりますが「夫婦別姓に必要性を感じない」と答える割合は半数以上です。

この世論調査がそもそも間違ってると感じますね。

必要性があるから制度を作るのではなく、人々に自由に選択をする権利を与えるために制度を作って欲しいです。日本さん。

婚姻のカタチ

事実婚という形式を選択して、結婚を決めたとき、まず最初にやらなければならないのは両親の説得です。自分の両親はまぁ問題ありません。私は口酸っぱく自分の意見を伝えていましたし、そもそも私をこういう考えの人間に育てたのは両親です(笑)
義母となる夫のおかあさんを説得する必要があると思っていましたが、私の意見に同調してくれるような夫を育てただけあって、とても理解のある方で難なくクリアでした。美味しく鍋つつきながらアッサリOKいただきました。両両親に感謝ですね。

籍を入れないこともあり私達はきちんと自分たちが婚姻関係にあると目に見えるカタチにしようと、挙式・披露宴をして結婚指輪を買って新婚旅行をしました。これが私達にとっての婚姻です。

他とのチガイ

入籍をしないという選択を勧めるつもりは毛頭ありません。
入籍をしないことでいまの日本では生きづらいことが多すぎるからです。

まず私達が結婚したときは同じ会社にいたので冠婚葬祭の福利厚生を2人分受けることができました。1人5万円+5日の特別有休がもらえるので、2人で10万それぞれ5日の有休です。これを使って新婚旅行に行く人が大半です。
ですが入籍していない私達は当時これを受けることはできませんでした。
この制度は会社に結婚届を出すことで受けられます。
そして結婚届の前提が入籍にありました。

銀行口座や保険やローンも同様で、本来2人で受けられるべきものが受けられない事例は多くあります。

1番グレーなのは会社独自の福利厚生です。
ファミリー向けの福利厚生を充実させている会社は最近多くあると思います。その制度の大前提は同じ籍にある家族を持っていることです。ですが結婚届ほど厳密にルールがないので、じゃあ事実婚だったらどうだ・・という議論が必ず持ち上がります。
(みんな頭の中では結婚=入籍してるの図式があるから細かくルール化されていないのだろうと推測します)
これは会社独自のものなので事例があれば制度内容は柔軟に変わるものです。私はこういう制度に積極的に声を上げて前例を作っていきたいと思っています!٩( ᐛ )و

あとは気持ちの問題も大きくあります。
6年経った今でこそ慣れましたが、結婚当初はストレスが多かったです。
結婚したと言うと、大体の人は私が旧姓を名乗っていると考えるからです。
「新しい名前はなにになったの」「旧姓はなに」こういった質問にいちいち気持ち削られていました。もっと言うと「奥さん」「旦那さん」「嫁さん」この名称にも気持ちが削られます。

最後に

"世間一般と違うこと" をするということは多くの労力とストレスが付き纏います。

日本の風潮が変わることを・・望んでいますが、望んでも無駄だろうな、と周りを見ていると感じてしまう悲しい現実です。

だから私達夫婦が気持ちしっかり堂々と意見を持つことが大切である、人が言う何気ない一言をさらっと流す耐性が必要だと悟っています (笑)

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