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海外留学の非ススメ

現在、高校生の進路やまたその先の進路として海外の教育機関を選ぶ人も少なくない。パンデミックが収まった今、海外留学の熱は再度盛り上がりを見せている。

かくいう筆者もそのうちの一人である。高校卒業後、進路に迷い海外留学という道を決めた。もちろん学びは多くあったが一方で困難や悩みは尽きない。

世間では海外留学を非常に特別視している。インターネット記事やnoteでも海外留学記をシェアしている人はたくさんいる。しかしながら彼らはストーリーテラーであり、彼らの生活を全員が享受できるわけではない。
そこで今回は、海外留学を否定的に取り上げることで、そのデメリットについて見解を述べようと思う。

学生は常に情報弱者だ。たくさんの誘惑や大人たちの魂胆に利用され海外へ行く学生やその保護者も多い。しかし海外というアウトホームで生きるのは彼ら自身だ。
一度、海外留学の現実について知り、今後の進路の参考にしてほしい。


海外留学は中級階級家庭の戯れ

初っ端から大変口の悪いタイトルである。しかしながら事実だろう。
私は高校を卒業してから自身で費用を賄い留学を達成した。しかしながら、そんな学生は少数だ。
周りを見れば、幼い頃から海外旅行三昧、習い事はピアノやらなんやらといった所謂中流階級(ここでは)以上の家庭が多い。私の学校を例にしても、その出身は世帯年収が高い傾向のある東京都出身、地方でもそれなりの世帯年収家庭出身の学生たちしかいない。

彼らは当たり前のように多様性に触れ、海外での経験を積むが、この経験はそもそも安定した経済援助があるから実現するものだ。安定した基盤がない学生が彼らと同じような経験を求めるなんて無理ゲーなのだ。

もしこれを読むあなたがお金に困っていて、それでも留学へ進もうとするのならお勧めしない。留学する前に安定した基盤をつくるべきだ。

タイプ別貧困留学生

貧困留学生は2つの種類にしか当てはまらない。当てはまらない人は借金を踏み倒す覚悟か、早々に挫折しているかだろう。

バイトに明け暮れ、なぜ海外にいるのかわからなくなる留学生

入学後もお金に困窮し続け、ひたすらバイトに明け暮れる。卒業するのが困難な海外大学で、ひたすらバイトに明け暮れ、自分の学んだものは異文化環境でのコミュニケーションのみ。これなら、最初からワーキングホリデーで来ればよいだろう。

成績優秀、品行方正。奨学金が命綱のポーカー留学生

海外の奨学金は無償型のみだ。貧困学生にとって、この無償型奨学生に選ばれることは留学を続けられる蜘蛛の糸である。
筆者もいくつか受け取った経験はあるが、正直なところ受け取れる受け取れないかは運要素が強い。奨学生に選ばれる基準は団体によって異なるが、今までの経験上以下の4つに分けられる。

・悲劇的・困難な背景
・ボランティア活動
・成績
・明確な未来像

奨学金の存在自体、上層階級が社会貢献するための一つの方法だ。彼らは同じように社会貢献の意志を持つ将来有望な学生を求める。このような学生像に当てはまる経験や実績があるのであればこの不安定な賭けに乗るのも良いだろう。事実、筆者はポーカー留学生だ。成績自体は決して高くはないが、もともと自身が社会貢献に対する行為に進んで参加していたことが功を成した。

しかし、トップ層の奨学生に選ばれる学生たちは下位三つの項目は飛びぬけている。そしてトップ層になるだけの教育投資を受けてきた子たちだ。結局はそういった安定基盤の上で育ってきた学生との勝負になる。毎日、勉強に明け暮れながら、実績を積むバイタリティと突飛した才能を感じさせる自信を持ち続けられる方は挑めばよいと思う。

最大の敵:コンプレックス

私がお金に関して課題がある学生に留学を勧めない最大の理由はコンプレックスを抱くことになるからだ。
私の経験を話そう。

私は自身で留学費を貯めてから正規留学に挑んだ。4年間とはいかずとも、入学前に二年半分、長期休みを利用してアルバイトに励み、絶えず奨学金を受けることで残りは補えると踏んでいた。
しかし入学後の円安、実際の生活費など私の予定はあっという間に崩壊していった。

絶えず続けなければいけないアルバイトや応募しても受け取れるかわからない奨学金、不安定な基盤は一向に固まらないのだ。

一方、周りを見ると、クラブにバケーション、学生団体になどと華やかな海外経験を積む留学生たち。私は彼らに嫉妬して、自分の基盤がない状況にコンプレックスを抱くようになった。食費を気にして、友達に気を遣わしてしまう。旅費を気にして、日帰り旅行だけ参加する。私はこんな自分がひどくみじめだと思う。
お金がない学生は4年間、毎日お金のことを考える必要があるのだ。

私は留学の選択は間違えではなかったと思う。しかしながら、国内に留まる選択も間違いではない。
留学は華やかに見える。国際的経験を積み、多様性の価値観を身に着ける若者は素晴らしく見えるだろう。しかし日本はすでに多様性にあふれているし、国際的経験なんか日本の観光地でバイトすればすぐに経験できる。
今一度、留学に行きたい理由を考えてほしい。











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