意識の境界線
「あんたあな、疲れやすいだろからね」
「繊細なんだから、気を付けてね」
めんどくさくて喋らなくなってずっとのことだった。近所のおばさんたちとゴミ捨て場で出くわしたただの数分でかけられた言葉だった。
「いや、ぼくは大丈夫ですよ」
「そう言ってなあ、知ってるでな。この前の週にゴミ捨てに来てフラフラしとったの」
「それは」
いいところを見られてしまったものだった。一日中ゲームなんてしていたものだから、まあ、そういうことだろう。
というよりも、境界がぼやけている。朝と夜とがぼやけている。意識だってはっきりしないし、夢の中でも意識がある。ぼくは繊細というよりも、壊れてしまったのだろうか。
どうか家に帰ったら、お茶漬けを食べたい。きちんとしたものは消化できないと思う。
おばさんは本当におばさんだろうか。眠い、少し寝たいと思う。