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おやすみの合図


かつての矯正を失いつつあるその場所にあったはずの嬌声は、すでに失われてしまった。

円形場に整列させられた馬の群れは、前足をあげているもの、届いていない大地で踏みしめようとしているもの、馬車を引いているものとで構成されている。彼らは動くこともせず、ただ静かに乗り手を待っていた。

緑がかった水は、船頭が波を立てることはなくなり、ただそよそよと吹く風がかすかに水面を揺らすにとどまる。

「閉園のお知らせです。みなさま、本日もありがとうございました」

60デシベルの音はなく、キリキリと金属の軋む音が響きあう。

「おつかれさま」

船は水底に沈んでいった。

「さようなら」

馬はどこかへかけていく。

続けざまにこだまする声はとうとう園内を震わせた。ほとんどもぬけの殻になった園内は、明日に備えて各々の居場所へ帰っていった。


ご清覧ありがとうございました。
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