ゆめうつつ

平になって、広がって、伸ばされて、膨らんで。ぼくは何が起こっているのかがとんと分からず、すっかり混乱してしまっていた。

それが何であるのか、よくはわからない。ただ、この解像度はどうやら現実らしくない。らしくないとは言いつつも、しっかりと考えることができているのだからはっきりとは言い切れないんだ。

これが現実なら、あれが何であるかを教えてほしい。さもなくば、悪い夢よりも余計悪い。自分よりもはるかに大きいものが目の前で蠢いているのは、おそろしくて仕方ない。

「頼みます。夢ならば覚めてください。現実ならば、目の前からいなくなってください」

それは、祈るぼくの目の前からウゴウゴと移動していった。まだ夢から覚めていないだけ、という希望が捨てきれなくて、はがゆかった。