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ものさしの上

始まりから終わりまでを想像しなければ、僕は進むことができない。それはエンジニアだからだろうか、それともその職場に慣れすぎたせいなのか。

「これやっといて」
「納期はいつまでですか?」
「今週」
「工数計算してみます」
「よろしくね」

僕は席に着く。でも、終わりはまだ見えていない。表に書かれたいくつものタスクを眺める。どのタスクから消化するのか、メモを重ねて決めていく。
僕はこの作業が好きだった。なんだか、人が定めるものさしにようやく自分も乗っかることができたような気がしたから。

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