【実例】黒に染めれば衣類は生まれ変わる…のかどうか、実際にやってみたお話。
ご来訪誠にありがとうございます。
モノトーンファッション大好き、WOODY HOUSEの公文でございます。
さてタイトルにもあるんですが、今回のテーマは「黒染め」について。
この度ご縁があって「京都紋付」さんが提供される黒染めサービスと弊社が提携することになり、WOODY HOUSE onlineがこの取り組みの窓口の一つとなりました。
1.黒染めとは何ぞや
で、そもそもその黒染めサービスとは何ぞや、という話なのですが。
早い話が「汚れたり色褪せたりで着なくなった服を、黒く染め上げて生き返らせよう」という取り組みです。
確かに振り返ってみると形やシルエットは気に入っているのに、食べこぼしや日焼け、色落ちなんかで着なくなった服ってまぁまぁあるんですよね。
色落ちならまだギリギリ「風合い」として受け入れられなくもないですが、落ちない汚れはもうどうしようもありませんから…。食べこぼしとかね…。
この京都紋付さんは創業以来100年にわたって日本の伝統的な正装である「黒紋付」だけを染め続けてきた、いわば黒染めのスペシャリスト。
その技術でもって服を黒く染め上げ、もう一度別の服として生まれ変わらせる、そんな取り組みです。
ある意味リサイクルにもなりますし、ありそうでなかったアパレルと日本の伝統産業の融合。なんだか素敵じゃあありませんか。
ただ、実は僕以前に自分で服の黒染めやったことあるんですよ。手芸屋さんで染め粉買って。
これがまたなかなか思った通りの色にならなかったり、乾かしてからよく見るとムラになってたり。
着れなくもないんですが、若干のコレジャナイ感はぬぐえませんでした。
そもそも一度製品として染色して完成された洋服を、いくら伝統の技術とはいえそんな綺麗に染まるの?…というのが正直な感想です。
2.実際のところどうなの?
なので、自前の服で依頼してみました。
このままでも気に入ってはいるんですが、色褪せがやや気になるデッドストック品。古着で購入したイギリス海軍のコンバットジャケットです。
ネイビーの状態で十分楽しんだので、いっその事黒くしてみようという魂胆です。
流れとしては
1:仮申し込み(素材によっては染色できないので要確認です)
↓
2:服を送る
↓
3:検品・本申し込み(素材などの都合により染色できないものはここでキャンセルとなります)
↓
4:染め替え
↓
5:発送
…といった感じ。結構シンプルですね。
素材によって染め上がりが変わってきますので、その辺りの最終確認を3:検品・本申し込みで行います。
染めたい服のカテゴリを選択して、そのまま画面の案内に従うだけです。
3.待つ事約一か月。
実際に届いたのがこちら。
めっちゃええやん!!!!
…失礼しました。つい言葉遣いが。
デッドストック品なので表記は無かったものの、手触り的には恐らくコットンとポリエステルの混紡素材。
化繊が入っているのでどうなるか不安でしたが、ちゃんと綺麗に真っ黒です。
ワッペンは真っ黒にならず、綿ベースの部分だけ黒が入ったようなイメージ。真っ黒につぶれると思っていたので、これは嬉しい誤算です。
「ROYAL NAVY」の刺繍はポリエステル糸を使用しているのか、ここは以前のままの色でした。この部分もまさか綺麗に残ると思っていなかったので、これも嬉しい誤算。
そしてこれは服によるのかもしれませんが、手触りが若干変わった気がします。適切な表現が見つからないのですが、なんとなく「新品っぽい」風合いになったような。
これは気のせいかもしれませんが。笑
というわけで、結論。
利用して本当に良かったです。日本古来の伝統技術、恐るべし。
4.まとめます。
「弊社では、黒をより一層黒くする深黒加工という独自の染色技法を開発し、その技を磨いてきました。
これは一旦黒染加工を施した後、天日干しで一点一点乾かし、さらに深黒加工を行い、
もう一度天日干しすることによって、黒さをより一層際立たせるものです。
この深黒加工は、光を吸収して黒く見せる当社独自の技術です。深黒加工は、黒色だけに作用して、
ほかの色には作用しません。この技術を用いて洋装界において他の追随を許さない
究極の黒を実現しています。」
こちら京都紋付さんのホームページからの引用です。
こんなに手間がかかってたら、そりゃ綺麗になりますよね。二回も天日干ししてはる…。
価格としても一番高いコートで一着1万円以下。今回の黒染めしたジャケットは税込み5940円でした。
普通に新しい服を買うと余裕でこの値段を超えますし、新しい服を購入したと考えるならむしろお得じゃあないか、というのが忖度無しの正直な感想です。
今回は色褪せた服を生き返らせてもらいましたが、例えばですが
「シルエットは良いけど色や柄が気に入らない古着なんかを安くゲットして、黒染めして着る」
…みたいな利用方法もアリじゃないかな、と思ったり。
というかミリタリー好き、デッドストック好きとしてはこっちの方がよりリアルかもしれません。
なんだか考え方によっては更にファッションが楽しくなりそうな、そんな気がしませんか?
というわけで、新たな取り組みの黒染めを実際に試してみたお話でした。
あまりに良かったので、「色が気に入らないけど形は気に入ってるワイドパンツ」を改めて黒染め依頼する予定です。
もしご興味が湧かれた方は、是非こちら利用してみて下さい。
環境にも配慮しつつ、楽しいファッションライフを!