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【検証】ヒートテックをもっと快適に着るための新提案【実証】
※この記事は5分ほどで読めます
ご来訪誠にありがとうございます。公文でございます。
本日は商品やブランドのご紹介ではなく、
皆様ご存知、ユニクロのヒートテックについての日記です。
メンズやレディース問わず冬の肌着と言えばもはや知らぬ人はいないであろう、ユニクロを代表する超ヒット商品。
僕も愛してやまないアイテムですが、愛故に、
「果たしてこれ以上のポテンシャルはないの?もっと快適に着られる伸びしろ、あるんじゃあないの?」
という余計なことを考えてみました。
ヒートテックが暖かい理由を考えてみる
そもそもヒートテックは薄いのに、なぜ暖かいかご存知でしょうか?
これは素材として含まれるレーヨンによるものでして、レーヨンは吸着熱を生み出す力が大きいという特徴があります。よく吸湿発熱とか表現される機能ですね。
吸着熱とはなんぞや?という話なのですが、これは簡単にいうと気化熱の逆。水蒸気が水へと変わる際に発生する熱を「吸着熱」と言います。
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お世話になってます。
つまりヒートテックは
「人の体から出る水蒸気を水に変えて発熱することができる、だから薄くても暖かい!」
という寸法なわけですね。ほうほう。
さらにヒートテックに含まれるポリエステルは非常に細い繊維の束となっており、より多くの空気を含むことができます。
レーヨンで生み出した暖かい空気をポリエステル繊維によって留めるので、薄さ以上に暖かいんですね。なーるほど。
これが極暖や超極暖シリーズになってくると編み方や起毛が加わり、生地も厚くなるのでさらに暖かい!ってな寸法なワケです。
もちろん公開されてない工夫もたくさんありそうですが、とりあえず大枠はこんな感じみたいです。
ヒートテックのマイナス面も考えてみる
その一方でレーヨン素材は通気性がさほど良くないという一面もあります。
これは着た状態で濡れると、乾きにくいということ。
必要以上の水分…つまり汗を大量に吸うと、発熱する以前に濡れたままになってしまい、逆に体を冷やすことになります。
激しい発汗を伴う場合など、レーヨン由来のヒートテックの強みが却ってマイナスになることもあるんですね。ふむ。
快適な運用を考えてみる
ではここからが本題。これまでの内容をまとめると、
①体からの水蒸気を熱へと変換するので、肌に一番近いインナーとしての運用はかなり適切。=肌着として暖を取る機能に優れる。
②通気性はそんなに良くないので、水分を吸い過ぎると衣服の中で濡れたままの状態に。=激しい発汗を伴うシーンには向かない。
この二つを考えると、こんな仮説に至ります。
「水分吸わせつつ、体に密着せんかったらええんちゃう?」
早速自分の体で試してみましょう。
検証してみる
こちらに手持ちのインナーを二種類用意しました。
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おなじみヒートテック(黒)と、PatagoniaのキャプリーンクールライトウェイトTシャツ(グレー)。
これは普段ランニングや夏場のインナーとして愛用しているんですが、とにかく汗を吸うスピードが尋常ではないシロモノ。
生地から効率的に水分を発散する機能があり速乾性も抜群。
そして信頼と実績のPatagonia製。
こいつを中に着て汗を素早く吸い取ってもらうと同時に、発散した水分をヒートテックで発熱してもらおう…という算段です。
12月某日、初雪を観測したここ京都府舞鶴市にて、徒歩通勤で検証してみます。
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絶好の検証日和で興奮してきたな
最終的なこの日の防寒装備はこんな感じでした。
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トップスは先ほどのインナー2枚に白Tとスウェット、ゴアテックスシェルの計5枚を重ねています。
ボトムスはヒートテックのタイツに古着のM65、
足元はヒートテックソックスに軽い登山もこなせるINOV8のゴアテックスシューズを履いています。
あえてダウンのような中綿系のアウターは着ず、重ね着で調整しつつ暖をとるイメージ。
冬のここ舞鶴市では一般的~やや薄着くらいの感覚でしょうか。
では、いざ出陣。
~~~~~~~~~~~徒歩通勤~~~~~~~~~~~~~
寒空の下、20分ほど歩いた感想。
めっちゃ暖かい。むしろ暑い…?
実際に温度を測ったわけではありませんが、一枚重ねるだけで体感温度はかなり高くなりました。思っていた以上に保温してくれた印象です。
とはいえ。
肌に直接ヒートテックを着た状態でも、約4kgのリュックを背負って20分も歩けば、冬場でも流石に汗をかきます。
正直ここに関してはオーバースペック気味とでも言いましょうか…。
ヒートテック一枚でもいいかも?
通勤程度ならここまで保温しなくても別にええんちゃうかな、
というのが本音です。本音なんですが!
この後が全然違いました。
やっぱりこの着方、めちゃくちゃアリです。
以前ヒートテックを肌に直接着た状態で徒歩通勤した際は汗がなかなか引かず、おまけに社内は暖房がフル稼働。弊社、寒がりさんも多いのです…。
その時はヒートテックが汗を吸って、控えめに言ってもしっとりしています。これは仕事をしていてもなかなかに乾きにくく、時折ヒヤッとする不快感は否めませんでした。
ところが今回はPatagoniaが汗を吸ってくれるので、体はある程度ドライな状態。生地自体に速乾性があるのでさらりとした印象です。
もうこの時点で不快感はほぼ0に。
吸着熱に加えてそもそも重ね着をしているので保温性も文句なし。
デスクワーク中に寒さを感じることはありませんでした。
というわけで個人的な結論としては暖かさはもちろん、その後の快適さが素晴らしい。
ヒートテックの下に速乾性Tシャツを挟むの、めっちゃアリ。です。
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応用を考えてみる
今回は徒歩通勤という発汗を伴うシーンでの運用でしたので、速乾性Tシャツとの重ね着はかなり有用でした。
これは例えば冬場の満員の通勤電車やウィンドーショッピングなど、「温度差の激しい環境を行き来する」場面でも相性は良いのではないでしょうか。
駅の寒いホームから暖房の効いた電車に乗るとか、暖房がよく効いた商業施設とか。
冬でも暖房による発汗って割と日常的にあると思うんですよね。
あとめちゃくちゃ個人的な趣味の話になりますが、
真冬のディズニーランドやディズニーシーでアトラクションに何時間も並ぶなら絶対採用したいなと思いました。建物の中は暖かくても、外の待機列は極寒ですし。
パレードやショーの開演待ちの時間も底冷えしますからね…。
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また今回は私物のPatagoniaのキャプリーンクールライトウェイトで試しましたが、こちらはインナー寄りのアイテムとしてデザインされており、そこそこタイトな見た目とフィット感。
個人的には日常使いも視野に入れるなら「キャプリーンクールデイリーシリーズ」をおすすめします。
こちらはレギュラーフィットでファッション性も確保しつつ、十分な機能性を備えています。
まとめてみる
改めて体を張った(?)検証の結論を申し上げます。
ヒートテックの下に速乾性Tシャツ。これ良い。すごく良い。
通勤や通学、冬場のちょっとしたアクティビティや立ち仕事で体を動かされる方など、「寒いけど汗をかく可能性がある」場合にはすごくおすすめです。
ヒートテックの良さって暖かさを損なわず、冬場でも薄着ができる点だと思うのですが、伸縮性のためにポリウレタンが含まれている以上、生地が伸びてきたらそれは寿命と言えます。
しかしいくらお手頃価格とはいえ、僕のような一般庶民はアイテムを極限まで使い込んでナンボ。
モノの寿命とは抗うための指標でしかありません。
重ね着したらまだまだイケる!
寒い冬も、ちょっとした工夫でさらに快適におしゃれを楽しもうではありませんか。
※なお今回の検証は個人的な主観や体質によるものも含んでおり、条件次第では感じ方が異なる場合がございます。予めご了承ください。