やりたい仕事のキッカケはタイの山奥にあった!Vol.3「ここはヨーロッパ?沈没ゲストハウス街」
こんにちは。ウッディー珈琲です。
先日、自宅の倉庫を掃除したら、出てきた懐かしい旅日記達。スマホもWi-Fiもまだ普及していない時代の2004年。
新卒で入社した会社をドロップアウトした私が体験してきたバックパッカー物語。アジアは微笑みの国タイランド編。
ここはヨーロッパ?沈没ゲストハウス街
着いた先は、ムエタイで有名なルンピニースタジアムと言う競技場。たまたまクロントイスラムから場所を移動したかった僕は、開いたページに載っていた会話例文を読んで、ここに来たのだが、たまたま今回はラッキーな偶然が重なる。
もちろん、僕は別にこの時はムエタイを見に来たわけではない。昨日カオサンストリートのゲストハウスで氏木さんが彼が持っていた「タイの地球の歩き方」を見せてくれて、安宿街パート2としてこのルンピニースタジアム付近にゲストハウスが幾つかあると言うことを覚えていた。
ゲストハウスエリアは、バス停がある両脇に店がつらなっている大通りを1本入った住宅街の中のちょっと入り組んだ所にあった。
当時、この辺の有名な所としてはバックパッカーの間では、“マレーシアホテル”と言うところが有名であった。ただそのホテルは、ホテルの格を上げようとして、居座っていたヒッピー達をでっち上げで捕まえて、追い出したということで有名なホテルだった。
この日、僕が選んだのは中国系のタイ人が経営するRoom Leeと言うゲストハウスだ。一泊またまた300円前後。部屋は綺麗だし、カオサンに比べると住宅街の中にあり、とにかく静かだ。
部屋にクーラーこそはないけど、トイレと水シャワーが個別についているし、なんかヨーロッパ系の白人の若者ではなく、おっさんがやたらと多かったせいか、タイっぽくなかった。
ただ、この時は気が付かなかったけどこのエリアは沈没した(長期で居座ること)白人のゲイエリアだと言うことを、後々知り合う、タイ航空のCAさんから聞くことになるのであった。
凄いぞ!日本のデパート、伊勢丹百貨店!
荷物を置いて身軽になった僕は、バンコクの中心街には日本のデパート伊勢丹百貨店があると言うのを情報で持っていたので、(2020年8月31日残念ながら閉店してしまいました)行こうと決めていた。
目的は店舗内に入っている“紀伊国屋書店”。昔、NYに旅行に行った時、NYにも紀伊国屋書店があって、現地駐在の日本人向けの東京ウォーカー(NYウォーカー)みたいな情報誌を手に入れたことがある。地元情報がたくさん書かれていて凄く便利だったことを覚えていたのだ。バンコクにも駐在の人用の雑誌等、情報があると思ったからだ。
伊勢丹はバンコクのモノレールBTSのサイアム駅エリアにあると言うことを、2日前カオサンストリートにて、地球の歩き方を氏木さんから見せてもらった時にメモっていた。
しかし自分のいるルンピニーエリアには、BTSはない。ルンピニ―エリアからサイアムエリアまで、地図を見ると、5キロ程度の距離。歩けない距離じゃない。歩いていこう!と思った。しかし、日本みたいに信号が設置されていたり、交通マナーが整っている国ではない。道が悪いと言うこと、更に外は灼熱のアジアの気候タイと言うことをすっかり忘れていた。
スタートから20分くらいは、快調に歩いていく。しかし、それ以降は、額と脇の下から、ポロポロダラダラと汗が噴き出してくる。既にシャツはビショビショだ。タイの道は、兎に角、道がデコボコ。と言うか、段差が多い。気を緩めると、すぐ躓きそうになる。そのことにも神経を使う必要があり、疲れるスピードは日本で歩く時よりも数倍早い。早くもバテていた。
歩く以外の方法。それはバスを使うと言う手があった。しかし、どのバスに乗っていいのか分からない。また変な所に連れていかれたら敵わない。貧乏バックパッカーを決め込んでいた僕の選択肢にタクシーに乗ると言う考えはなかった。総合的に考える、やはり歩くことが一番効率が良いと言うことになった。
少し歩いては、ビルの脇や木陰で休憩を繰り返しながら進んで、3時間ぐらいは歩いただろうか。ようやく、サイアムエリアに足を踏み入れることができた。サイアムは、バンコクっ子の間では、東京の渋谷と同等に考えられている。確かに、若者が多い。かつ、奇抜な格好をしている人も多い。デパートが集結しているエリアに伊勢丹も立派にあった。
日本から来たのに、すぐ伊勢丹に行くだなんて狂っている気もしたが、海外での日系企業の活躍を見ると言う意味でも良い勉強になった。目指すは、紀伊国屋書店なのだが、エスカレーターに乗っていくと、本屋に行く前に色々なフロアの様子が見えてくる。ほぼほぼ、日本の伊勢丹だ。
商品も多品種扱われていた。金額も日本の価格とほぼ同等もしくは、それよりも上に感じた。客は残念ながらまばらだ。一般のタイ人には価格が高すぎる。明らかに、富裕層相手か、タイの駐在日本人ターゲットの店だった。
紀伊国屋書店に入ると、これまた、もはや日本。値段こそ、3~4割増しになってはいるが、空輸で届いたばかりと思われる最新刊も並べられている。入り口付近には、日本人向けのバンコクのガイド本と共に、「ローカルバスの乗り方」的なバスガイド表が売られていた。パラパラめくると、バスの乗り方、種類、路線図が書いてある。“これで、歩かなくて済む!行動範囲が広がるぞー!”となれば、必然的に即購入する僕であった。