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やりたい仕事のキッカケはタイの山奥にあった!Vol.2「生まれて初めてのスラム街」

こんにちは。ウッディー珈琲です。

先日、自宅の倉庫を掃除したら、出てきた懐かしい旅日記達。スマホもWi-Fiもまだ普及していない時代の2004年。

新卒で入社した会社をドロップアウトした私が体験してきたバックパッカー物語。アジアは微笑みの国タイランド編。

別れ、旅立ち。そして・・・伝説へ?

次の日、エアコンの無い部屋を選んだ僕は、緊張と気温の変化に体が反応したのか、目覚ましもなく、朝早く起きた。時計は5時半を回ったあたり。とりあえず、トイレへ。

タイのトイレは不思議だった。トイレの便器横にホースがついていて、それでお尻を洗うらしい。電気を使わないウォシュレットの先駆けだ。まさにエコだ。ただ、濡れたお尻を拭くトイレットペーパーがなかった。後々、タイ人に聞くと、タイは暑いから放っておけば渇くよ。とのこと。アンバランスだった。

トイレの後、エアコンなしの部屋で寝てビチャビチャになった体を清めるべく、シャワーに行った。「冷たいっ!」当然、お湯は出ない。でもその冷たいシャワーがまた良い。最初は「あっ!」と恋愛を覚えたばかりの女子みたいな声を出すが、慣れると、体も気持ちもシャキッとする。

シャワーを浴びてから、散歩でもするか!とゲストハウスの外を出ると、遠くの方から、キョロキョロキョロキョロ周りをみながら、ゲストハウスに近づいてくる肌の浅黒い人を発見。氏木さんだ!

「おはようございます!」と僕。
「やー、ウッディ君、おはようございます!眠れましたか?何だか、目がさえちゃって。散歩がてら、お寺に行ってきました。」
と氏木さんは僕よりも早く起きて、朝から活動をしていたらしい。

「コーヒーでも飲みに行きましょう!」
と僕。まだ朝早くのため、ほとんどの店は閉まっている。しかし近くのゲストハウスに併設のカフェ的な場所だけはラッキーなことに営業していた。オープンテラスで路上にテーブルと椅子が出されている。

見ると、ランニングと短パンの如何にも長く旅をしています的な欧米人が一人タバコ片手にコーヒーを飲んでいる。僕と氏木さんも彼にならって、席を確保し、コーヒーを注文する。ところが、1杯100バーツもする。

「えっ?自分らが泊まっている宿泊代とほぼ同じ?!」
どうやら、完全に外国人用のカフェに入ってしまったようだ。
「タイだから安い訳じゃないんですね。安かったり高かったり、これはシッカリお店に入る前に値段を確認しないと、今後も危ないですね」
僕は氏木さんと目を合わせ、勉強になったな~と変にうなずいた。

自分のゲストハウスに戻り、部屋で荷造りをしている時、いつまでも日本人と一緒に行動をしていては何が旅だ?と思った。
「これからは一人別行動をします。昨日一日お世話になりました」思い立ったが吉日ではないが、隣の部屋の氏木さんに、まず挨拶に行った。
「えーっ、俺は今日どうしたら良いかわかんないよ~。一緒に行きたいな~」と氏木さんは言ってきた。
「別れあれば出会いありが旅ですよ。では、これから出発します」
と伝えたら、「分かった。じゃあ。」とローカルバスのバス停まで見送ってくれた。

生まれて初めてのスラム街

どのバスに乗ったら良いのか分からないし、乗り方が分からなかったけど、氏木さんが見送ってくれているし、「どれかに乗れば、別の繁華街まで行くだろう。」と思い来たバスに飛び乗った。

バスに乗り込むと、運転手以外に切符売りのスタッフが車内にはいて、切符を売ってくる。切符売りにお金を払い、降りたいところでブザーを押すわけなんだけど、何処で降りたら良いのか分からないし、よく見ると、何か降りたい人は勝手に車が止まると降りる人もいる。更にはゆっくりのスピードで走っている時に飛び乗ってくる乗客もいる。

カオサンロードはバンコクの中心の繁華街から離れた場所にあり、ある程度の時間バスに乗る必要がある。結局降り方がわからない。もっと言えば、どのバス停が繁華街のバス停だか分からない。僕は中華街を過ぎて繁華街を過ぎて終点まで乗ってしまった。

乗客は僕を含めおばさんが2人しか残っていなかった。バスが止まると、おばさん2人が降りて、僕も降りなくてはいけない状況になった。バスを降りると、そこは、トタン板の家だらけで、道歩く人は汚れた格好をしている。初めて見たスラムだった。

スラムのエリアの名は、クロントイ。と言う場所だった。。。このスラム。テレビで今まで見たことがあった想像通りのスラムだった。市場みたいなところに、なんだかグチャグチャ物が置かれていて、壁や道路も何だか、壊れている。ゴミだらけ。ハエだらけ。

平日の昼間と言うこともあるのか、外国人なんていなくて、スラム街の人が僕をジロジロ見てくる。「やばいなー、街に戻りたいけど、どのバス乗っていいか未だにわからないしなー」とちょっとナーバスになっていた。

着いた時間が昼間だったので怖さはなかったけど、初めて見たスラムにどう向き合って良いのか、何をすれば良いのかも分からず、なんかいや~な気持ちだけ湧いてきた。明らかに戸惑いと言うヤツだった。夜に着いていたら、たぶんビビりなぼくは、“!!!”と青くなっていたと思う。

“よし、勇気を持って、誰かに聞いてみよう”とりあえず、タイ語自由自在を広げてみた。
「すいません、ルンピニースタジアム付近に行きたいのですが、どのバスに乗ったら良いですか?」
と書かれている会話例をその辺を歩いているおばさんにそのまま読み上げてみた。
「はっ?!$%&%$#$%&%$%……」
何一つ聞き取れない。。。しまった、何を言っているのかわからない。そこで空港でもらった地図を広げてスタジアムまで行きたい旨を伝えるべく、人差し指を立てて、自分を指して、地図のスタジアムを指して、あっち行きたい。と伝えてみた。
すると、今度は、真後ろの汚ったないバスを指して「あれに乗りなさい」的なことを言っている。よし、乗ってみよう!
「コップクンカップ!(ありがとう)」と僕。

激録・密着24時!白バイポリス登場!

乗車をすると、すぐに発車した。バスはやたらと「ブオン!ブオン!」と、黒い煙を吐きながらけたたましい音を立てて進み始めた。停車中のアイドリングオンも「ガガガガガガガガ」と何だか暴走族のバイクに乗っているみたいだ。

バスに乗ること10分ぐらい経ったころ、「ウー、ウー!」と後ろを見れば白バイが赤色灯を回して追っかけてくるではないか。“なんだ?なんだ?このバスにテロリストでも乗っているのか?”と僕はプチパニックになる。

車内を見渡してみると鼻水を垂らしそうな居眠りおじいさんと買い物袋をぶら下げたおばさんが3人と僕しか乗っていない。白バイは運転手の横の窓の所まで来て、手を出して、止まれと指示。バスは間もなく停止した。

白バイポリスも隣に止まり、(タイ語は聞き取れないが)「ブレーキしたままアクセルを踏んでみろ!」的な話をバスの運転手にしているみたいだ。「違う違う!俺は何もやってねーよ。分かんねーよ」的なことを運転手は動揺しながら白バイポリスに言っている。推測すると、何か、排気ガス規制法的なヤツに違反しているバスみたいで、「取り合えず、車庫に戻って、検査を受けろ!」的な注意を促しただけで白バイは去っていった。

“なんだこれ?生まれて初めてバスに乗っていて警察にとめられたぞ。世界は広いな~”
と変に感心した。バスは気を取り直して、そのまま進んで行った。しばらくすると、繁華街らしい所までバスは進み、前に座っていたおばちゃんが「ルンピニー、ルンピにー」とバスを降りろみたいなことを指示してくれたので、手を合掌して「コップンカップ!」と言い僕はバスを降りた。

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