青春18きっぷが作る「鉄道旅の青春」
青春18きっぷの存在意義は、「貧乏な若者でも日本全国を旅する楽しみを享受できる」ことにあった。広大な鉄道ネットワークを利用し、列車に揺られながら車窓の景色を楽しむ体験は、きっぷが生み出した特別な文化だったといえる。鉄道旅行はただの移動手段ではなく、旅そのものが目的となり得た。
筆者もまた、青春18きっぷを手に、学び舎の仲間たちと笑い合い、見知らぬ街を探索した日々を思い出す。宿泊を伴う旅行だけでなく、日帰りでの気軽な旅行にも対応できたこのきっぷは、学生や若者たちの限られた予算でも夢を現実にしてくれた。
時代の変化と青春18きっぷの魅力低下
しかし、昨今では格安バスやLCC（格安航空会社）が台頭し、鉄道旅行のコストパフォーマンスが薄れてきた。夜行列車の廃止、便利なローカル線の列車現象、青春18きっぷの値上げも重なり、以前ほどの「安価で長距離移動ができる」魅力は薄れた。コロナ禍以降は旅行スタイルそのものが変化し、多くの人々が鉄道以外の手段を選ぶようになった。
特に夜行列車は、青春18きっぷ利用者にとって重要な選択肢だった。寝台車や「ムーンライトながら」といった列車が廃止され、長距離移動が困難になったことは、鉄道ファンや若者たちにとって大きな痛手であった。
青春18きっぷの未来への希望はあるのか
青春18きっぷには根強いファンが存在していたと思う。鉄道の旅にはバスや飛行機では得られない「移動そのものを楽しむ」価値がある。新ルールの導入により一部の制約は増えて、離れる人も増えていくのではないだろうか。
今回の連続日しか利用できないことや複数人でシェア利用が出来ないということで、価値がずいぶん薄れた。
私ならもう鉄道は捨てて、より安い、バスやLCCを選択するし、その先も、スマホで簡単予約して、すぐに乗れるカーシェアリングを利用する。
旅の思い出を未来へつなぐ
若者は基本的には貧乏で、貧乏でも旅はしたいもの。そういうニーズにぜひ応え続けてほしい。利益が取れないサービスであっても、将来のファン作りと考えては貰えないものなのだろうか。