迷惑メール・ラプソディ~フォーエバー 和也~
迷惑メールがよく送られてくる。
面白半分で返信を送ったり、メールに付いてきたリンクを踏んだくらいしかしていないのに、不思議である。
そして、送られてくる迷惑メールを読むのも好きだ。
もっとも、趣味の範疇を出ないので、この道の専門家の知識や経験には遠く及ばないことは承知の上である。
しかし、数多の駄文とすら呼称することすらおこがましい、人に迷惑をかけるという行為に向き合う姿勢すらなっていない携帯のバッテリーをイタズラに消耗させるゴミ山の中から、こちらをクスッと微笑まさせる良文を見つけたときは銀を掘り当てたような快感は専門家でなくとも感じることは出来るだろう。流石にいくら面白い文章であっても、所詮は迷惑メールであり金やプラチナほどではないので、銀と形容させていただくが。
今まで受け取ってきた(というか送りつけてきやがった)迷惑メールの例を銀の方から挙げると、
美輪明宏に尻を叩かれかけてそんなヨイトマケがあるのかと驚愕したり、
急に「和也」なる、きれいな顔をしながら死にそうな名前をした建築業を営む社長から、部下に怪しいサイトに登録させられたという設定で馴れ馴れしいメールを送られ、聞いてもいないのに過去の話をしたかと思えば、
和也を救うべく、母親がその身を犠牲にしたら、父親から「人殺し」と呼ばれて育ったという、13行弱で語る前にTBSにでもドラマ化してほしい想像を絶するようなエピソードを一方的に聞かせてきた上で、
別に興味があると返信したわけでもないのに関わらず、罵声を浴びせる父親から救われて、今や年商8億円の建築業の社長であることをアピールして、こちらに友だちになるように要求して来たと思えば、
何故だか急にカレーの話をし始めた挙げ句、「今日が無理なら明日」という社長にあるまじき雑なアポイントメントを取られ、
急に私との関係を求めてきて、
最終的には「返信をしない理由に凄まじい理由があるんじゃないか」といった内容のメールを送り付けられ、和也との関係は絶たれという「ストーリー型迷惑メール」が送られてきたりする。お前の人生をはるかに超える理由なんて存在するわけないだろと指摘せざるを得ない。(上述のスクショは※完全無料中※で区切られているのが1通)
ちなみに、この和也からのメールと並行して、医者の慶次郎という人物からも同じくストーリー型迷惑メールが送られてきた。
このように、多種多様な迷惑メールが送られてくる私のメーラーであるが、ケツを叩く美輪明宏や壮絶な人生の和也のように面白い文章を送られることは滅多になく、大抵は次のような、
赤城会長なるいかにも大物っぽい輩が、大金を私に譲ろうとするのを、益川・速水なる人物が急かしてくるという「大金譲受型迷惑メール」や、
文字起こしをするだけでSNSからBANされそうな卑猥な言葉がミルフィーユよりも詰め込まれた、性欲の塊な中二男子ですら送ることを躊躇うであろうどうしようもなくエロに訴えかけてくる「性欲歓喜型迷惑メール」の他、
木下レオンと名乗る人物が、Botのように(というかBotなのだろうけど)「占ってもいいですか」「開運の儀を始めます」という、許可を求めてきたと思えば、与える間もなく勝手に占ってくるという、「壊れたBot送信型迷惑メール」のように開封するのすらバカらしくなる、しょうもない迷惑メールが大半である。
上記の4つの他にも、ケツを叩く美輪明宏の例のような「有名人偽装型迷惑メール」や、宅配業者の不在連絡を偽った「再配達偽装型迷惑メール」などが著名である。
また、大抵の迷惑メールは有名人が大金を貰うようにこちらを促して怪しいリンクを踏まそうとするといった様に、上記の形質を2つ程度孕んだ形式で送りつけてくる傾向にあるのだ。これらに共通する点は「迷惑なのに面白くない」という点である。少しは和也を見習ってほしい。
というか、和也のメールを書いている人は迷惑メールを書くくらいなら小説家を目指したらどうなのか。もしかしたら小説家の卵が自らの作品を作り上げる片手間で、小銭稼ぎとして迷惑メールを執筆しているのだろうか。そう考えると悪い気はしない。ぜひ芥川賞をとってほしいものだ。
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さて、この悪い迷惑メール・ゴミみたいなメールについて書きたくなったのは最近送られてきた迷惑メールのせいだ。正直、和也ほど優れた内容ではないのだが、書き記しておくと、
いかにもありがちな、「メアドを変えたから連絡してちょ!」という迷惑メール入門ならば第2回めの講義で習うであろう、古典的な文章を送られてきて、
「同窓会のお知らせ」という知り合いからのメールですよというのを短い文章で示すことで追い打ちを決めてきた。
私を同窓会に誘う人はいないのでこの時点で迷惑メール確定である。
なぜなら私の数少ない友人が「同窓会やらないってLINEが来たんだよね~」って言っていたからである。言うまでもなくこのLINEが私のもとに来ることはなかった。学級委員長とメアドを交換したあの日はなんだったんだろう。
そんなことを思いつつ、一応迷惑メールチェッカーを検索すると、
どうやらここ1ヶ月の間程度の低い迷惑メールを送り続けているヤツらしい。というかよくドコモのキャリアメールでこんな悪事を働いたものである。
和也を始めとした多くの迷惑メーラーたちも流石にキャリアメールでは送ってこない。
そんな人生を見つめ直してほしいくらい迷惑メーラー(docomo.ne.jp)に、悪態づいた返信の一つでも送りたいのだが、できない理由がある。
このメールが迷惑メール用のメアドではなく普段使いのSMSで送られているからだ。
レベルが高い迷惑メールならまだしも、低品質だと分かっているメールに返信したくはない。そう考えていると、
礼儀を弁えろや!!
なんで迷惑メールの分際で「無視されてます?」だの逆ギレされなきゃならないのだ。
無視されないような文章を書く努力をしなさいよ。何より、「同窓会」という設定を堅守していることも腹立たしい。「くれませんか?」じゃなくて「いただけたら幸いです」くらいに謙りなさいよ、騙す側であるならちゃんと礼儀を弁えるべきではないだろうか。
…そんな感じで、無礼極みない迷惑メールを紹介しておわる。尤も、迷惑メール以上に閲覧されていない個人の日記だが、もしこのメッセージが届くのであれば、「迷惑メールはリンクを踏んだり返信したくなるくらい面白い文章にして!」の一言に尽きる。
いや、迷惑メールを送ってこないのが一番なのだが。ホントに。
フタコブラクダのコブを同意の上で上下左右計13個にした後に、黄色いおべべを無理やり着せる活動がメインです。最近の悩みは鳥取県の県境を超えられないこと。