ハウスメーカー大工の苦悩

ハウスメーカーの大工はクレームとの戦いが一番辛い。
工期が間に合わなければ信用が失墜する。
しかし、ハウスメーカーは仕事が出来れば良いという訳にはいかない。
しかし、時間には制限がある。
私が働いているハウスメーカーは7時から現場に入り、8時から仕事。
18時には終了して、片付け、道具を車に積み込み19時には退出するルールである。
よって、時間を稼ぐには7時に入り、仕事の段取りをすることや、18時に音のある仕事をやめて掃除や図面にチェックを入れたりする。

大工は一人では上棟出来ない。
よって仲間で柱を建て、梁を組み、棟を挙げる。
規模にもよるが6〜7人の大工が必要で、仲間が建て方があるときは手伝う仕組みです。
しかし、高齢化が進む現在では動ける人材が偏るものです。
私は付き合いが多く、比較的若い為、15人以上の建て方に参加しています。
すると、自分の現場で仕事する日数は減る。
つまり、朝早く、夜遅くまで働かなきゃ工期に間に合わない。
しかし、常識的な時間は守らなければクビになる。
昔は、朝早くご苦労様と言われたが、7時から仕事してるとクレームになる。
よって掃除や段取りだけでもと真面目な人間をハウスメーカーは叩きまくる。
管理をしてる工務店から頭のオカシイ大工と罵られた。
ハウスメーカーは注文がキツイ。
工期、美掃、工程管理、他職の調整、お施主様とコミニケーション、
設計では納まらない造作の提案、施工プロセスを立案、兎に角、ブラック企業ですら逃げ出す程キツイもので、それをすべてやる時間が足りない。
真面目にやる人は頭がオカシイと罵られるが、仕事だからしかたない。
慣れてしまった私は、奴隷根性を振りかざし、今日も働く。
壊れない、日本人に生まれて良かった。
私の親も大工。
75歳、一人で家を作ってる。
私もあと30年、この苦悩と戦い生きて行きます。

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