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むかし書いた韓国コラム #357

 このところの物価高は厳しい。昼食を食べに行き食後にコーヒーでも飲もうものなら軽く1万ウォンは超える。ぼやきながらドリンク剤に手を伸ばしてみたら、意外にもこれが物価の優等生らしい。

 ヘラルド経済新聞によると、「バッカス」が登場したのは1963年のこと。当時の販売価格は40ウォンで、チャジャンミョンと同じ価格だったという。それから50年近くたった現在、バッカスは450~500ウォンほど。チャジャンミョンが4500~5000ウォンと100倍以上上がったことを考えると低価格に抑えられている。10ウォンだった即席めんは現在75倍の750ウォンだ。実はバッカスは20年前から小売価格はほとんど上がっていないという。企業努力もあるが、トップシェアで顧客の忠誠度が高いことも背景にある。このおかげで競合商品も500ウォン前後の価格を維持しているとか。

 コーヒーの10分の1の価格で疲労回復効果もある。しばらくはコーヒーを控えバッカスのお世話になっておくか。

【解説】
 バッカスは自分で飲むだけでなく、訪問先への手土産にもちょうどよかった。韓国のコンビニに行くとバッカスをはじめ瓶入り飲料の10本入りが箱で売られている。取引先への訪問やお見舞いなどの需要があるのだろう。上げることも多かったがもらうことも多かった。写真は東亜製薬公式サイトより拝借。

(初出:The Daily Korea News 2012年8月23日号 note掲載に当たり解説を加筆しました。記事の内容は初出掲載当時のもので現在の状況とは異なる場合があります)

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