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むかし書いた韓国コラム #113
最近明洞で話題になっている犬がいる。犬種はチャウチャウだが、なんと体毛が染められパンダのようになっているのだ。もともとは白い犬だが、目の周りと耳、脚などが黒く染められている。近くにあるドッグカフェで飼われているもので、ときどき店員に連れられ客引きも兼ねて明洞界隈を歩いている。パンダっぽい犬ということで、道行く人はみんな「かわいい!」と言いながら写真を撮るなど結構な人気を集めている。
ただ、犬の毛を染めるのは動物虐待という見方もある。以前も別のドッグカフェだと思うが、体毛を文字の形に剃られ、さらにその部分を染められた犬がいた。目くじらを立てて虐待だと騒ぐ気はないが、見ていて気分は複雑だ。ちなみにチャウチャウは中国で食用にされていた歴史がある。明洞のチャウチャウくんも、食用にされるくらいなら毛を染められるなんてたいしたことでもないのかも。物言わぬチャウチャウくんの気持ちはだれにもわからないけれど。
【解説】
動物がみずから毛を染めてほしいと思うわけはないのだから勝手に染めてそれをかわいいなどというのは人間のエゴだと思う。
(初出:The Daily Korea News 2015年3月24日号 note掲載に当たり解説を加筆しました。記事の内容は初出掲載当時のもので現在の状況とは異なる場合があります)