むかし書いた韓国コラム #560
海外で自分の身分を証明するのはパスポートだ。日本政府が交付したものであり、海外渡航の際は命の次に大事だとも言われる。韓国での生活においては、外国人登録をしてあるので、外国人登録証が交付される。これは韓国における身分証明になるのでパスポートを持ち歩く必要はない。
なにかの手続きをする際にも外国人登録証があればスムーズに進むのだが、時々外国人登録証ではなく、パスポートの提示を求められるケースがある。外国人登録証は正規の手続きを経て韓国政府が交付したもの。韓国内においては日本政府が交付したパスポートよりも、自国政府が交付した外国人登録証のほうが効力の優先度は高いはず。それなのに自国の外国人登録証をさしおいて他国政府が発行したパスポートを出せというのはどうにも合点がいかない。
こういうことがあるので結局財布の中には外国人登録証だけでなくパスポートも入れて歩いている。
【解説】
韓国以外の国で韓国の外国人登録証は何の効力も持たないが、韓国国内ではパスポートと並ぶ効力がある。それなのにかたくなにパスポートの提示を求められるケースがあった。韓国では日本と同じく運転免許証も正規の身分証明として通用するが、これも他国発行のパスポートより効力は上のはずだ。ビザ満了後に外国人登録証を返納してから帰国準備をしている際に書留が届き身分証明を求められたが、この際に免許証を提示したらすんなりと認められた。写真は出入国管理事務所のサイトより拝借。
(初出:The Daily Korea News 2010年8月5日号 note掲載に当たり解説を加筆しました。記事の内容は初出掲載当時のもので現在の状況とは異なる場合があります)