むかし書いた韓国コラム #842
スマホのアプリでKTXのチケットを買おうとした。乗る列車を決めて決済しようとしたところ、画面に「選択した列車は他の列車に比べ停車駅数が少なく、料金が最大0.6%高くなります」と書かれたポップアップウインドウが現われた。確かに、選んだ列車はソウルから大田までノンストップで走る便だった。しかしわずか0.6%とはいえ「高くなります」と言われるとちょっと気分は良くない。停車駅が少ない分だけ所要時間は短くなるが、だからといって新幹線「のぞみ」が「こだま」を追い抜くようにKTXが先行列車を追い抜くわけでもない。お得感がないのに料金だけ割り増しとはいかがなものか。むしろ停車駅の多い列車を選択した場合に「停車駅が多いので料金を最大0.6%割引します」と表示してくれた方が気分は良くないか。
以前は京釜間を2時間17分で走るノンストップ便があったが現在はなく、京釜間は最速2時間28分となっている。所要時間が短縮されているなら少々の割り増しは我慢しますけどねぇ…。
【解説】
KTXに対してはいい印象がないので批判的なコラムばかり書いていた。追い越しもしないのに割り増し感のある売り方をするとはマーケティングが下手なのだろうか。ちなみに現在京釜間を最速で走る列車の所要時間は2時間15分だが、該当列車は極めて少ない。基本的に2時間40分かかり、特に上り列車は遅延が常態化しているのでプラス5分くらいみておかなくてはならない。京釜間の距離は東海道新幹線なら東京から岐阜羽島と米原の中間くらい。東京から米原までひかり号は2時間14分で走る。2時間40分あれば京都まで行ける。KTXは無駄に停車駅が多く、高速鉄道としての真価を発揮できていないんじゃないかなぁ。
(初出:The Daily Korea News 2016年4月19日号 note掲載に当たり解説を加筆しました。記事の内容は初出掲載当時のもので現在の状況とは異なる場合があります)