むかし書いた韓国コラム #204
かき氷が流行だ。なにか変わったかき氷はないかと検索してみたら、「オジンオピンス」なるものを見つけた。「オジンオ」は「イカ」だ。イカが入ったかき氷なのか? 刺し身を冷たいスープで食べる「ムルフェ」という料理で時にスープがかき氷状になっているものがある。きっとイカのムルフェのことだろう。そう思ったが、検索で見つけたオジンオピンスは、正真正銘のスイーツだった。
済州道の某店で売られているというそれは、ミルクアイスで作ったかき氷にあずき、練乳、角切りにしたイカの刺し身が入っているのだそうだ。ブログなどで見ると評判は決して悪くないようだが、ちょっと手を出しにくいメニューでもある。
そういえば、初めてナタデココを食べた時にイカのような食感だと感じた。そう考えれば逆にイカはナタデココみたいな食感だ。かき氷に入っていてもおかしくはないのかもしれない。とりあえず、済州に行く機会があれば試してみ…いやいや、やっぱり手は出そうにない。
【解説】
毎年夏になると変わり種のかき氷が登場したもの。シャンパンを使ったり金箔を散らしたり、マッコリを使ったりと各店で趣向を凝らしたものが話題になった。しかしイカの刺身を入れるのはかなりの予想外だ。ナタデココのような食感とはいえなんとも生臭そうで到底試す気にはなれない。話題性だけを狙った商品だったのだろうか。
(初出:The Daily Korea News 2015年6月22日号 note掲載に当たり解説を加筆しました。記事の内容は初出掲載当時のもので現在の状況とは異なる場合があります)