むかし書いた韓国コラム #782

 数字の「8」の書き順は2通りにわかれる。右上を始点に最初に「S」を書くようにする場合と、最初に「6」を書くようにする場合だ。どちらも一筆書きだが、ペンを走らせる向きが正反対だ。飲み会などで「数字の8を書いてみて」とペンとメモを差し出せばそれなりに盛り上がる。最初に「S」を書くのが正しい筆順とされているが、ひとまず話題提供なので堅いことは言わない。

 そういう「飲み会用のネタ」が通じにくいのが海外生活での新しい発見でもあり楽しさでもある。韓国でもこのネタを使ってみたところ、ほとんどが予想外の書き方をしたので面食らった。反時計回りに「○」を書き、その下に同じく「○」を書くのだ。要は「○」を2個書くということ。一筆書きではないので、ふたつの「○」が離れているのも普通だ。

 「で、書いたけどなんなんだ?」「いや、日本で8を書くときは」――。ひとまず話題提供の目的は果たしたからいいか…。

【解説】
 日本では8を書くのに○をふたつ書くケースは見たことがなかったが、韓国では普通に見られる。学校でそんな書き方を教えるわけもないだろうし、どうしてその書き方が普及しているのかはよくわからない。

(初出:The Daily Korea News 2010年1月26日号 note掲載に当たり解説を加筆しました。記事の内容は初出掲載当時のもので現在の状況とは異なる場合があります)

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?