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むかし書いた韓国コラム #105

 盧武鉉元大統領の故郷である烽下マウルを訪ねた。慶尚南道金海市のはずれにあり、金海市中心部からバスを乗り継いで1時間以上かかる。バスの本数も少ないので訪問はなかなか困難なところだ。ただ交通の不便さのおかげか開発も進んでおらず、釜山のベッドタウンとして発展している金海市街地とは正反対ののどかなところだ。盧元大統領が退任後にここで余生を過ごそうと決めたのも合点がいく。

 集落の中には氏の生家、退任後に住み現在も夫人が住んでいる私邸、そしてお墓もある。道を挟んで反対側には氏の生い立ちや業績などを紹介する「追慕の家」もある。飾られていた麦わら帽子にジャンパー姿で自転車に乗り笑みを浮かべた退任後の氏の写真は、大統領経験者とは思えないほど飾り気がなく庶民的だ。特に氏を支持していたわけではないが、ゆかりの地を訪ねたことでちょっと親しみがわいた。

【解説】
 盧武鉉元大統領はこの家の裏にある山で自殺した。裏山には散策路があり上ることができ、自殺現場は柵があるが近づくことは可能。金海市内に滞在する機会があった際に足を伸ばしてみたが、同じ市内でも市街地からバスを乗り継いで1時間以上かかった記憶がある。かなりの田舎だがだからこそ氏の素朴な人柄が育まれたのだろうか。

(初出:The Daily Korea News 2016年10月11日号 note掲載に当たり解説を加筆しました。記事の内容は初出掲載当時のもので現在の状況とは異なる場合があります)

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