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むかし書いた韓国コラム #498

 KTXを利用する際はグリーン車に当たる特室を利用し、座席は1人掛けを選ぶようにしている。数年にわたるこの習慣の結果、ひとつの重大な事実に気付いた。常に同じ側の車窓風景しか見られないということだ。ソウル発だと釜山方向に向かって左側が1人掛け座席だ。帰りの便ではソウルに向かって右側が1人掛けになる。列車の進行方向は変わるが車両自体の向きは変わらない。1人掛けに座り続けると東側の風景しか見られないのだ。高速バスの場合、常に進行方向右側が1人掛けの座席となるので、同じ席に座っても行きと帰りとでは違う景色が見られる。

 しかしそんなことに気付いたところでそれほど景色にこだわりがあるわけでもなく、東海道新幹線のように富士山が見えるなど特徴的な車窓があるわけでもないので、行き帰りが同じ景色であっても別に問題はない。そもそも移動中はほとんど目を閉じているのでまともに全区間で車窓風景を見た記憶もないのだ。でもたまには反対側にも座ってみるか。

【解説】
 常に東側の車窓しか見られないだけでなく、朝の移動時はまぶしくてブラインドを下ろしてしまうので景色も見られなかった。別にどうしても車窓がみたいわけではないけれど。

(初出:The Daily Korea News 2016年2月29日号 note掲載に当たり解説を加筆しました。記事の内容は初出掲載当時のもので現在の状況とは異なる場合があります)

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