むかし書いた韓国コラム #776
鉄火巻きが食べたいと話したら、韓国人の知人に「鉄火巻きってなに?」と聞かれた。ひとまず「チャムチ(マグロ)のキムパプ(のりまき)だ」と答えた。「だったらコンビニにある」と言う。このとき知人が頭に思い浮かべていたものは、「ツナマヨネーズのおにぎり」だった。
「違うんだ。おにぎりじゃなくてキムパプだよ」「だったらキムパプ屋で買ってくればいい」。キムパプ屋にもチャムチキムパプは存在するが、あれもツナマヨだ。「そうじゃなくてさ、日本の巻き寿司で、中にマグロが入ってるのがあるんだよ」「チャムチキムパプもチャムチが入ってるよ」「そのチャムチじゃなくて刺身の方だよ」という会話の末にようやく理解されたらしい。
日本ではマグロとツナは明確に区分されているが、韓国はその辺があいまいなのか。そして日本ののり巻きはキムパプではなく「キムチョバプ(のり寿司)」。鉄火巻きは韓国語で「チャムチキムチョバプ」という。まだまだ韓国語は難しい…。
【解説】
日本語だとマグロとツナには明確な違いがあるが、韓国語だとどちらもチャムチであり明確な区別はない。英語でもどちらもツナだ。ということは英語圏でも現地人と日本人の間でこんな問答が繰り広げられたりしているのだろうか。
(初出:The Daily Korea News 2012年2月10日号 note掲載に当たり解説を加筆しました。記事の内容は初出掲載当時のもので現在の状況とは異なる場合があります)
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