むかし書いた韓国コラム #146
釜山地下鉄の草梁駅と釜山鎮駅のちょうど中間ほどの場所に「文化共感水晶」がある。登録文化財330号に指定されている「貞蘭閣」を使ったもので、日本統治時代に建てられた立派な日本式家屋だ。群山に残る日本式家屋の「広津家屋」は室内に入れなかったが、貞蘭閣は無料で内部も観覧できる。畳敷きの部屋に障子戸とふすまなど、日本の雰囲気をそのまま残している。
畳敷きの部屋ではコーヒーなどを飲みながらくつろげるようになっている。訪れたのが平日だったためか他に観覧者はおらず、まるで日本に帰ってきたかのようなひとときを過ごせた。将来的にはゲストハウスとして宿泊できるようにする計画もあるようだ。群山の日本式家屋を使った宿泊施設「古友堂」はいまいち物足りなかったが、貞蘭閣で泊まれれば日本の温泉旅館にでも訪れたかのような感覚に陥りそうだ。ゲストハウスの開業を心待ちにしている。
【解説】
貞蘭閣は個人的に好きな映画「将軍の息子」のロケ地にもなっている。内部は日本時代そのままで純日本風。「将軍の息子」以外にも多くの映画やテレビ、アーティストのプロモーションビデオなどに登場している。また、コスプレ好きの人にとっても撮影地として人気だそうだ。
(初出:The Daily Korea News 2016年10月25日号 note掲載に当たり解説を加筆しました。記事の内容は初出掲載当時のもので現在の状況とは異なる場合があります)