むかし書いた韓国コラム #730

 漢字をあまり使わない韓国の新聞だが、国名を漢字1文字で表すケースは多い。「日」「韓」「中」は日本と同じだが、米国の場合は「米」ではなく「美」に、北朝鮮は「朝」ではなく「北」と表記する。国名を併記する場合、日本では「日中韓」が韓国では「韓中日」になり、「米韓」は「韓美」、「日朝」は「北日」と順番も異なってくる。

 そんな中で見間違いやすいのが「米朝」だ。韓国では「北美」と表記するのだが、これは北米を意味することにもなる。そのため新聞の政治面で「北美対話」の記事を読んだ後に経済面で「○○社が北美市場に進出」という記事が出ると一瞬こんがらがってしまう。なお、韓国の漢字字典で「北美」を引くと、「北米」と「北朝鮮と米国」の両方が出てくる。文脈を見ればわかる話だが、ちょっとまぎらわしい。

 日本の場合、落語好きは「米朝」の記事を桂米朝と間違うそうだ。ご本人も持ちネタにしていたはず。落語家が新聞の国際面に出ることはないと思うが。

【解説】
 北朝鮮の朝鮮中央通信の日本語版だと「日朝」ではなく「朝日」と書く。間違いではないのだが、「朝日」では「あさひ」と読んでしまい一瞬意味がわからなくなる。

(初出:The Daily Korea News 2011年6月23日号 note掲載に当たり解説を加筆しました。記事の内容は初出掲載当時のもので現在の状況とは異なる場合があります)

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