むかし書いた韓国コラム #786
文化財に値段は付けられないもの。しかしそれでも、事故の際の補償のために保険をかける場合には金額で換算しなくてはならない。ハンギョレ新聞によると、韓国内の古宮や陵27カ所を金額換算したところ、景福宮が1189億5400万ウォンで最も高かった。これは文化財庁が公開した火災保険基礎資料によるもの。景福宮に次いで昌徳宮の667億2200万ウォン、徳寿宮が350億6400万ウォン、昌慶宮が195億6100万ウォン、宗廟が175億7800万ウォンなどとなった。建物単体では景福宮内にある慶会楼が99億5700万ウォンでトップとなった。
価格算定は文化的な価値や場所などは考慮されず、建物の大きさが決定的な要素となる。木造建築物の一般寿命の50年を過ぎると補修をしなくてはならないが、その費用などを考慮する。景福宮が最も高いのは建物が最も多いためで、慶会楼も建物が大きく補修のためには木材が多く必要になるためだという。
【解説】
古宮全体では相当な高額だが、建物単体では実はそれほど高くはない。2017年の資料では南大門が255億ウォンで、古宮内の建物より2倍以上高い。そしてその南大門より高いのが昌原市にある鎮海郵便局で、南大門の2倍以上となる534億ウォンで韓国で最も高くなった。
(初出:The Daily Korea News 2014年5月22日号 note掲載に当たり解説を加筆しました。記事の内容は初出掲載当時のもので現在の状況とは異なる場合があります)