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むかし書いた韓国コラム #538

 63ビルのエレベーターのガイドに高さを尋ねると「海抜264メートルです」と答える。問わなければ建物自体の高さは積極的には教えてくれない。ちなみに建物の高さは249メートルだ。

 南山の上に立つNソウルタワーも同様で、高さを聞くと「海抜479メートルです」と答える。これも南山の標高も含めた高さだ。同行の韓国人に、「東京タワーは何メートルだ」と聞かれ、「333メートルだ」と答えると、「ソウルの方が高いんだな」とニヤリと笑った。比較基準が違うのだからそもそも勝負は成立しない。Nソウルタワー自体の高さは236メートルなのでタワーの高さ比較ならソウルの方が断然負けなのだが。

 東京では新たなに東京スカイツリーが建設中だ。完成すれば634メートルに及び、現時点ですでに488メートルに達している。Nソウルタワーに海抜基準というハンデを与えてももう負け扱いされることはない。ちょっとホッとしている。

【解説】
 いちいち海抜で表現してしまうのは少しでも日本より優位に立ちたいという劣等感の表れなのか。でも海抜で争いたいならそもそも韓国最高峰の漢拏山は富士山にはかなわないのだから無駄に対抗したがるのはやめたまえよ。

(初出:The Daily Korea News 2010年10月18日号 note掲載に当たり解説を加筆しました。記事の内容は初出掲載当時のもので現在の状況とは異なる場合があります)

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